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The Salsoul Orchestraは、1974年にヴィンセント・モンタナ・Jr.を中心に結成されたアメリカのディスコ・バンドだ。Salsoul Recordsのハウス・バンドとして活動し、最大で50人規模のメンバーを抱える大編成だった。名前の「Salsoul」は、サルサとソウルを組み合わせた造語で、バンドの音楽性そのものを表している。
バンドを率いたヴィンセント・モンタナ・Jr.は、フィラデルフィア・サウンドを支えたMFSBの創設メンバーでもあり、1973年のヒット曲「TSOP (The Sound Of Philadelphia)」にも参加していた。The Salsoul Orchestraでは、作曲、編曲、指揮、プロデュースまでを1978年ごろまで担っていた。
また、MFSBとThe Salsoul Orchestraはメンバーの重なりも多く、どちらもフィラデルフィアのSigma Sound Studiosで録音していた。こうした背景から、両者はかなり近い関係にある。
The Salsoul Orchestraの音は、フィラデルフィア・ソウルを土台にしたディスコ・サウンドが中心だ。ラテン系の要素も入り、ストリングスの厚いアレンジ、ファンキーなベースライン、きっちり組まれたリズムが目立つ。
大人数のオーケストラ編成を生かして、弦楽器、ホーン、パーカッション、コーラスを重ねる作りが多い。ディスコのダンス向けのグルーヴを持ちながら、ソウル寄りの温度も残しているのが特徴だ。
1975年のデビュー・アルバム『The Salsoul Orchestra』には、シングル「Tangerine」が収録されている。この曲はBillboard Hot 100でトップ20入りし、バンドの名前を広く知られるきっかけになった。
その後も『Nice 'N' Naasty』や『Magic Journey』などを発表し、「Getaway」「Runaway」といった楽曲も知られている。Loleatta HollowayやCharoとの共演もある。
メンバーには、Bunny Sigler、Norman Harris、Earl Young、Ron Baker、Vincent Montana, Jr.、Don Renaldo、Carla Benson、Evette Benton、Barbara Ingramなど、多数のミュージシャンやシンガーが名を連ねている。管弦楽器、リズム隊、アレンジャー、コーラスまで含めた大編成で動いていた点が、このグループの大きな特徴だ。
ディスコ人気が下がった1970年代後半以降も、The Salsoul Orchestraの楽曲はサンプリングやリミックスの素材として使われ続けている。特に「Ooh I Love It (Love Break)」は、Eric B. & Rakimの「Paid in Full」や50 Centの「Candy Shop」などで参照されている。
こうした使われ方を見ると、The Salsoul Orchestraの録音が、ディスコの時代だけでなく、その後のヒップホップやダンス・ミュージックにも残っていることが分かる。
バンドは1982年ごろに解散している。活動期間そのものは長くないが、Salsoul Recordsの看板的存在として残した録音は多く、今でもディスコやフィラデルフィア・ソウルをたどるときの重要な名前になっている。
The Salsoul Orchestraは、ディスコの華やかさだけでなく、フィラデルフィア・ソウル、ラテン、ファンクをつないだ制作体制そのものが面白いグループだ。大編成のオーケストラがどういう役割でディスコを支えていたのかを知る入口としても、かなり重要な存在だ。