Vinyl Record Reviews
The Sequenceは、サウスカロライナ州コロンビアで結成された女性3人組のヒップホップ・グループだ。メンバーは、シェリル・“ザ・パール”・クック、グウェンドリン・“ブロンディ”・チショルム、アンジー・“B”・ブラウンの3人で、後にアンジー・ブラウンはアンジー・ストーンとしてソロ活動でも知られるようになる。
グループは、1979年10月20日にシュガーヒル・ギャングのコンサート会場の楽屋で、シュガーヒル・レコード共同経営者のシルヴィア・ロビンソンにスカウトされたことをきっかけに動き出した。高校時代はチアリーダーだった3人が、そこからレコーディングへ進んだ流れは、当時のヒップホップの広がり方をそのまま示している。
2週間後にロビンソンから連絡を受け、1979年12月にシングル「Funk You Up」をシュガーヒル・レコードから発表した。この曲は、同レーベルの第2弾シングルで、Rapper's Delightに続く形でリリースされている。女性のみのヒップホップ・グループとしては初のヒット曲として扱われ、ビルボードのホット・ソウル・シングル・チャートでは15位を記録した。
また、「Funk You Up」は1979年のうちに世界で50万枚以上を売り上げた、初期のヒップホップ楽曲のひとつにも数えられている。シングルのベースラインは後年ドクター・ドレーの「Keep Their Heads Ringin'」(1995年)でサンプリングされており、曲単体でも長く参照され続けている。
ジャンルはヒップホップとファンク/ソウルにまたがり、スタイルとしてはP.Funkやポップ・ラップが挙げられる。初期ヒップホップの枠組みの中に、ファンク由来のベースラインやリズム感が入っているのが特徴だ。The Sequenceの楽曲は、ラップの言葉数だけで押し切る形ではなく、グルーヴを前に出した作りになっている。
「Funk You Up」が後の楽曲にサンプリングされた事実を見ると、単なる初期作品にとどまらず、リズムやフレーズの使い方が後続のアーティストにも材料を残していることがわかる。ヒップホップの初期に、女性グループがこの形で記録を残している点も重要だ。
The Sequenceはアルバムを3枚残し、1985年に解散した。グループとしての活動期間は長くないが、初期ヒップホップの商業化が進む時期に存在感を残している。中心メンバーのアンジー・Bは、その後アンジー・ストーン名義でソロ活動を展開し、成功を収めた。
初期ヒップホップの歴史をたどるとき、The Sequenceは外せないグループだ。女性グループとして早い段階でヒットを出し、ファンクの要素を持つラップを記録に残した点で、今も確認しやすい足跡を残している。