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The Tripは、1966年にロンドンで結成された英伊混成のバンドだ。Riki Maiocchi、Ritchie Blackmore、Billy Gray、Arvid Andersen、Ian Broadらが参加し、他の多くの英国バンドと同じく活動の場を求めてイタリアへ渡った。その後、拠点もイタリアへ移している。
1967年には創設メンバーのMaiocchi、Blackmore、Broadが相次いでバンドを離れ、BlackmoreはのちにDeep Purpleへ加入する。以後のThe Tripは、イタリア人キーボード奏者Joe Vescoviを迎え、英語圏とイタリアの人材が入り混じる編成で続いていく。
安定した編成になったThe Tripは、RCAとの契約を得て1970年に1stアルバムを発表した。この時点では、まだ本格的なプログレというより、ギターとオルガンを軸にしたロック・ブルース色の強い作品として扱われている。収録曲は長尺のものが多く、冒頭の「Prologo」がバンドの初期サウンドを示す曲として挙げられる。
同じ1970年には、バンドメンバーが映画『Terzo Canale - Avventura a Montecarlo』にも出演した。イタリアからモンテカルロを目指すバンドの話を下敷きにしたコメディで、最後にRome Caracalla Pop Festivalで演奏するという内容だ。
1971年の2作目『Caronte』で、The Tripの音はかなり変わる。Joe Vescoviのキーボードが前に出て、クラシック音楽の要素が加わっている。オープニングの「Caronte I」や長尺曲「Two Brothers」は、この時期の代表的な楽曲として見られている。
2作目のあと、Billy Grayがソロ活動へ向かい、バンドはトリオ編成になる。その後、トリノ出身の若いドラマーFurio Chiricoが加入し、1972年の『Atlantide』ではVescoviのキーボードが中心のサウンドがさらに強まる。ここではELPに近い方向性が意識されているとされる。
最後のオリジナル・アルバム『Time of change』はTridentから発表された。ここではキーボード主体の路線を保ちながら、クラシック寄りの要素やジャズ寄りの要素が加わっている。作品発表後、ChiricoはArti & Mestieriを結成するために離脱し、残ったメンバーはOsage TribeのドラマーNunzio Faviaを加えて活動を続けたが、まもなく解散した。
Joe Vescoviは1974年末にAcqua Fragileへ短期間参加し、その後はVescoviとFaviaの両名がDik Dikに加わっている。
The Tripは、初期にはブルース・ロック寄りの演奏を中心にしていた。その段階では、ギターとオルガンが曲の骨格を作っている。
『Caronte』以降はJoe Vescoviのキーボードが主役になり、クラシック音楽の影響がはっきり出てくる。長い組曲的な構成、オルガンの前面化、神話や文学を思わせるタイトルの使い方が、この時期の特徴として見えてくる。
また、初期から英語詞とイタリア語詞を混ぜて制作していた点も特徴的だ。英米のロックを土台にしながら、イタリアのプログレッシブ・ロックが持っていた物語性や構成重視の方向へ寄っていった流れが確認できる。
1971年の『Caronte』は、The Tripの中でも特に重要な作品として扱われている。ブルース・ロック色の強かった初期から、クラシック的な構成を持つキーボード主体のサウンドへ移る転換点になっているからだ。
タイトルの「Caronte」は、ギリシャ・ローマ神話で死者の魂を冥界へ渡す渡し守を指す。こうした神話的な題材を前面に出しているところには、当時のイタリアン・プログレが持っていた、英国ロックとは少し違う文学的な志向が見える。
2015年には、オリジナル時代のドラマーだったPino SinnoneがThe Tripを再結成している。2019年には安定した編成になり、Andrea Ranfagni、Carmine Capasso、Tony Alemanno、Andrea Dave D'Avinoらが加わった。
2021年7月17日には、新編成による『Caronte 50 years later』がリリースされた。これは歴史的なアルバム『Caronte』を現メンバーで演奏した作品だ。その後、Andrea Dave D'Avinoが離脱し、Giuseppe Sarnoが新しいキーボード奏者として加わっている。
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