Vinyl Record Reviews
The Wailersは、1963年にジャマイカのキングストン、トレンチタウンで結成されたレゲエ/スカ・グループだ。初期は「The Wailin' Wailers」として、Bob Marley、Peter Tosh(Winston McIntosh)、Bunny Wailer(Neville Livingston)を中心にスタートした。歌手Joe Higgsの指導のもとでボーカルトレーニングを受け、Junior Braithwaite、Beverley Kelso、Cherry Smithらを加えた編成で活動を始めている。
1963年7月にStudio Oneで録音した「Simmer Down」は、ジャマイカのチャートで2カ月にわたり1位を記録した。The Wailersの初期を語るうえで外せない楽曲で、グループがローカルシーンで強い存在感を持っていたことがわかる。
この時期のThe Wailersは、複数人のボーカルが重なる形で活動していた。メンバーにはBob Marley、Earl "Wire" Lindo、Constantine 'Vision' Walker、Beverley Kelso、Junior Braithwaite、Neville Livingston、Winston McIntosh、Cherry Greenの名前が挙がっている。
1970〜71年には、プロデューサーのLee "Scratch" Perryと組み、The Upsettersとともにレコーディングを行った。ここでは、それまでの滑らかなハーモニーに、より暗く攻撃的な要素が加わったとされる。Carlton Barrett、Aston "Family Man" Barrett兄弟らの演奏も含め、この時期の録音は後の作品にも影響を残した。
1973年には、Chris Blackwellのもとでロンドンでミックスされたアルバム『Catch a Fire』がIsland Recordsから発売された。続く『Burnin'』も同年に発表され、The Wailersの音楽はジャマイカの外へ広く届くようになった。ここでの活動は、レゲエを国際的なポップ・ミュージックの文脈へ押し広げた動きとして整理できる。
1974年にPeter ToshとBunny Wailerが脱退すると、The WailersはBob Marleyのバックバンドとしての形で活動するようになる。この時期から、クレジット上では「Bob Marley & The Wailers」が使われることが増えた。一方で、アルバムのクレジットでは「The Wailers」と表記される場合もあった。
Bob Marleyの死去後も、The Wailersは活動を続けた。1981年以降はAlpha Blondyをはじめ、複数のアーティストと共演している。さらに、1989年以降は一部メンバーが「The Wailers Band」名義でも活動している。
The Wailersの音楽は、Roots Reggaeを軸にしている。初期はボーカル・グループとしてのハーモニーが特徴で、その後はLee "Scratch" Perryとの制作で、より重さのあるサウンドへと変化した。スカの要素を含む初期活動から、Roots Reggaeの代表的な存在へ移っていく流れが見える。
The Wailersの公式情報はInstagramアカウント https://www.instagram.com/thewailersofficial/ で確認できる。参考資料としては、Wikipediaの The Wailers もある。