The xx

Vinyl Record Reviews

The xx

The xxとは

The xxは、ロンドンのウォンズワースで2005年に結成されたイングランドのインディー・ポップ/インディー・ロック・バンドだ。クレジット表記では小文字の「xx」が使われることが多い。メンバーはRomy Madley Croft、Oliver Sim、Jamie Smith(Jamie xx)で、かつてはBaria Qureshiも在籍していた。2009年11月にQureshiがバンドを離脱したことが公表されている。

デビュー作『xx』で注目を集める

2009年に発表したセルフタイトルのデビューアルバム『xx』で広く知られるようになった。発表時点でメンバーは全員20代前半だったが、静かなテンポと音数を絞った構成で、感情の細かな動きを前に出す作りが評価された。2010年にはマーキュリー・プライズを受賞している。

この時期のThe xxは、白黒を基調としたアートワークと、余白の多いサウンドが強く結びついて語られることが多い。ギター、ベース、ビート、ボーカルを必要最小限に配置するやり方が、バンドの印象を形作っていった。

音楽性の特徴

ジャンルとしてはロックに分類されることが多く、スタイルとしてはインディー・ロック、シューゲイズの要素が挙げられる。実際の音作りでは、派手な展開を積み上げるよりも、短いフレーズや反復、空間の使い方が目立つ。

  • ギターはリフや単音フレーズを軸にした配置が多い
  • ベースとドラムは前に出すぎず、曲全体の輪郭を支える役割を担う
  • 男女のボーカルが対になって現れる曲がある
  • 音数を抑えたまま、曲の緊張感を保つ作りが見られる

その一方で、シューゲイズ的な質感だけでなく、ポップ・ミュージックとしての聴きやすさも持っている。そこがThe xxの入り口になっているリスナーは多そうだ。

Jamie xxのソロ活動

ビートメーカー兼プロデューサーのJamie Smithは、Jamie xx名義でソロ活動も続けている。『xx』でのプロダクションを踏まえたうえで、約5年をかけて制作したソロ・デビューアルバム『In Colour』を2015年にYoung Turksから発表した。

『In Colour』では、ビートを中心に据えながら、軽いボーカルやボーカル・サンプルを重ねる曲もあれば、メロディや歌を前に出してビートを抑える曲もある。構成はミニマルなままだが、The xxの白黒のイメージとは対照的な、色数の多いサウンドとして受け止められている。

バンドとソロをまたぐ活動

The xxの活動とJamie xxのソロ活動は、どちらも音数を絞る手法を共有しながら、方向性は少しずつ異なる。バンドでは3人の声と楽器の関係が前面に出やすく、ソロではクラブ・ミュージックやビートの感覚がより強く出る場面がある。

そうした往復の中で、The xxは静かな楽曲づくりと明確なビジュアル・イメージを保ち続けてきた。デビュー作で確立したミニマルな作法と、その後のJamie xxの展開を合わせて見ると、このプロジェクトの輪郭がかなり見えやすい。

関連サイト

toast