Vinyl Record Reviews
Todd Rundgrenは、1948年6月22日にアメリカ・ペンシルベニア州アッパー・ダービーで生まれたミュージシャン、シンガーソングライター、プロデューサー。ボーカル、ギター、ベース、キーボード、ドラム、サックス、テルミンまでこなすマルチ奏者として知られている。ジャンルはRock、スタイルとしてはClassic Rockに位置づけられることが多い。
活動の出発点はブルース・バンドのWoody's Truck Stopで、その後1967年にNazzを結成。Nazzでは「Open My Eyes」「Hello It's Me」がチャート入りしている。1969年にNazzを離れ、ソロ活動へ移行した。
ソロ名義では、Runt(1970年)、Runt: The Ballad of Todd Rundgren(1971年)、Something/Anything?(1972年)を発表している。特にSomething/Anything?では、4面組LPのうち3面を1人で書き、演奏し、プロデュースしている。残りの1面もスタジオ・バンドによる一発録りのライヴテイクで構成されている。
この時期にはBearsville Studiosで他アーティストの制作にも関わりながら、ポップ、ヘヴィメタル、ソウルまで幅を広げていく。A Wizard, A True Star(1973年)、Todd(1974年)、Initiation(1975年)では、その振れ幅がはっきり出ている。
Rundgrenはこの頃からバック・バンドのUtopiaとともに、プログレッシブ寄りで実験的なライヴ/スタジオ作品も発表している。Utopiaは1986年に解散するが、それまでにTodd Rundgren/Utopia名義を含めて、ライヴ盤とスタジオ盤をいくつも残している。
ソロ作でも実験性は続いていて、Faithful(1976年)は片面がオリジナル、もう片面が1966年の楽曲カバーという構成。Hermit of Mink Hollow(1978年)、Healing(1981年)、The Ever Popular Tortured Artist Effect(1983年)、A Cappella(1985年)も代表的な作品として挙げられる。
Todd Rundgrenの活動で大きいのは、自身の作品だけでなく、他アーティストのプロデュースでも足跡を残している点だ。グランド・ファンク・レイルロードの「We're An American Band」(1973年)、ニューヨーク・ドールズのセルフタイトル・デビュー作(1973年)を手掛けている。
特に1977年のミート・ローフ Bat Out Of Hell は重要で、世界累計4300万枚以上を売り上げたとされている。大規模なヒット作の制作に関わったことは、プロデューサーとしての存在感を示す出来事になっている。
1986年にはXTCのSkylarkingをプロデュースしている。この制作ではアンディ・パートリッジとの対立が続いたとされるが、完成したアルバムはXTCのキャリアを立て直すきっかけになった。後年、パートリッジがトッドのプロデュース・アレンジを高く評価した発言も残っている。
1989年にはライヴ感のあるスタジオ作品Nearly Humanを発表し、1991年の2nd Windでは、観客が沈黙するよう指示された状態で演奏を行っている。1993年にはTR-i("Todd Rundgren interactive")としてインターネット上でも活動し、No World Order(1993年)、The Individualist(1995年)を出している。
2000年には、長期間にわたって購読者向けに配信されていたPatronet作品をまとめたOne Long Yearをリリース。その後は、自身の過去曲をボサノヴァ・アレンジで再構成したWith a Twist、リミックス集のReconstructed、さまざまなアーティストがRundgren楽曲を再演・再構成したTodd Rundgren and His Friendsなども発表している。
Todd Rundgrenの特徴は、1人で作曲、演奏、歌唱、プロデュースまで進める制作スタイルと、作品ごとに方向を変える動きにある。ポップ寄りの曲、ハードな音像、ソウル要素、実験的な構成、アカペラ、ボサノヴァ・アレンジまで扱っている。
また、プロデューサーとしては完成度の高い録音物を残しており、曲作りと音作りの両方で評価されてきた。自身の名義と他者の作品の両方で活動している点が、キャリア全体を通して目立つ。