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TRBは、1976年にロンドンで結成された英国のロック・バンドだ。活動期は1979年までで、1989年に再結成も行っている。メンバーにはトム・ロビンソン、チャーリー・モーガン、イアン・パーカー、ダニー・クストーウ、ドルフィン・テイラー、マーク・アンブラーが名を連ねている。
TRBは1977年末にデビュー・シングル「2-4-6-8 Motorway」を発表し、全英シングルチャートのトップ5入りを果たした。この曲は、いかにも勢いのあるポップ・ロックとして聴ける一方で、ゲイ解放運動で使われていたチャント「Two, four, six, eight, gay is twice as good as straight」に由来するタイトルを持っている。表向きの軽快さと、内側に政治的なメッセージを置いた作りが特徴になっている。
1978年2月にはライブEP『Rising Free』を発表し、そこに収録された「Glad to Be Gay」がバンドの代表曲として知られるようになった。トム・ロビンソン自身が同性愛者であることを公言していた時期に、同性愛嫌悪や偽善を批判する内容をキャッチーなメロディに乗せて歌っている。後にこの曲は「イギリスにおけるゲイのアンセム」と呼ばれるようになった。
バンドは1979年にいったん解散し、その後1989年に再結成されている。
ジャンルはロックで、スタイルとしてはポップ・ロックとパンクが挙げられる。TRBの楽曲は、耳に残りやすいメロディと、はっきりした主張を同じ曲の中に置く構成が目立つ。特に「2-4-6-8 Motorway」と「Glad to Be Gay」は、メッセージ性を前面に出しながらも、シングルとして機能する形にまとめられている。
70年代の英国ロックの中でも、トム・ロビンソンが自分の性的指向を公にしたうえで、楽曲や政治的な発信と結びつけていた点はかなり特異だ。TRBは、そうした姿勢をバンドの音にそのまま反映させていた。
TRBの存在は、1970年代のロック・シーンにおいて、音楽と社会的な発言を近い距離で扱った例として見られている。「2-4-6-8 Motorway」のヒットで一般層にも届き、「Glad to Be Gay」でより直接的なメッセージを打ち出した流れは、バンドの輪郭をはっきり示している。
当時のロックスター像とは違う立ち位置で活動したこともあって、TRBは音楽面だけでなく、発信の仕方でも記憶されやすいバンドになっている。ポップ・ロックの聴きやすさと、パンク由来の直線的な姿勢、その両方がこのバンドの核にある。
TRBは、ロンドン発のロック・バンドとして、短い活動期間の中でもはっきりした足跡を残したグループだ。ヒット曲のポップさと、同性愛や政治に関するメッセージ性が同居しているところに、このバンドの特徴が集まっている。