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Tyler, The Creatorは、アメリカ・カリフォルニア州ホーソーン出身のラッパー、音楽プロデューサー、俳優、ミュージックビデオ監督だ。Tyler Okonmaの名でも知られていて、オルタナティブ・ヒップホップ集団Odd Futureの中心人物として注目を集めた。
Odd Futureでは多くの楽曲でラップとプロデュースを担当し、グループ作品のアートワークも手がけてきた。さらに、衣料品やグッズのデザインにも関わっていて、音楽以外の制作面でも存在感がある。
ソロでは2011年のデビュー作『Goblin』をXL Recordingsから発表した。その後、Odd Future RecordsとRED Distribution、Sony Music Entertainmentとのジョイントベンチャー契約を結び、2013年には2作目『Wolf』をリリースしている。『Wolf』はBillboard 200で初登場3位を記録し、初週売上は9万枚だった。
2010年代後半からは作品ごとに音の方向を変えていて、2017年の『Flower Boy』では内省的でメロディを重視した作りに移った。2019年の『IGOR』では、ラップの比重を抑えつつ、メロディや感情の動き、細かいアレンジを前面に出した構成で、グラミー賞のベスト・ラップ・アルバムを受賞している。
2021年の『Call Me If You Get Lost』でも同じくベスト・ラップ・アルバムを受賞し、2作連続での受賞を達成した。2024年10月には8作目『Chromakopia』を発表し、Billboard 200で初登場1位を記録した。2025年7月には9作目『Don't Tap the Glass』もリリースしている。
ジャンルとしてはヒップホップを軸に、ファンクやソウルの要素も強い。スタイル面ではコンテンポラリーR&Bやネオソウルとも結びついていて、初期の攻撃的なラップ中心の作風から、メロディや和声を使う比重が増えていった。
特に『Flower Boy』以降は、トラックの構成やコード感、歌の扱いが変化していて、ラップだけで押し切るというより、曲全体の流れで聴かせる作りが目立つ。『IGOR』ではその傾向がさらに進み、アルバム全体で一つの流れを作る構成になっている。
一方で、プロデューサーとしての細かい音作りや、アートワークまで自分で管理する姿勢は早い時期から一貫している。音だけでなく、ビジュアルや衣服のデザインまで含めて作品を組み立てるタイプのアーティストだ。
Tyler, The Creatorは2011年にファッションブランドGolf Wangを立ち上げた。以後、ブランド運営を続けながら、自身の世界観を音楽と並行して展開している。
2012年には音楽フェスティバルCamp Flog Gnaw Carnivalを開始した。毎年の開催が続いていて、アーティストとしての活動とイベント運営が結びついている。
さらに、独自のストリーミングサービスGolf Mediaも運営していて、本人によるオリジナルの脚本シリーズやCamp Flog Gnaw Carnivalの配信を行っている。音楽制作だけでなく、配信やファッションまで含めた活動が広がっている。
Odd Futureのリーダーとして登場した時期から比べると、ソロでのTyler, The Creatorはかなり作風を変えてきた。ヒップホップの枠に収まるラッパーというより、プロデュース、歌、アートワーク、ファッションまで含めて作品を作る人物として見られている。
2010年代以降のヒップホップやR&Bの中で、ラップの技術だけでなく、アルバム全体の構成やビジュアル表現まで含めて評価される存在として活動を続けている。