Vinyl Record Reviews
Ultravoxは、1973年にロンドンで結成されたイギリスのニュー・ウェイヴ・バンドだ。初期はTiger Lily名義で活動していて、のちにUltravox!、さらにUltravoxへと表記を変えている。ジャンルとしてはElectronicとRock、スタイルとしてはNew WaveやSynth-popに分類されることが多い。
初期のUltravoxは、John Foxx(本名Dennis Leigh)をボーカルに据えた編成で、最初の3枚のLPを発表した。その後、ギタリストの交代を経て3作目の「Systems of Romance」まで進み、バンド名から感嘆符も外している。
1979年にJohn Foxxが脱退すると、Midge Ureがボーカルとギターで加入した。この編成が、もっとも広く知られる“クラシック”な80年代のラインアップだ。1980年から1986年にかけて、UKで7枚のTop Tenアルバムと17曲のTop 40シングルを記録している。
1986年には、アルバム「U-Vox」の制作前後でWarren Cannが脱退し、その後バンドは解散した。1990年代にはBilly Currieが新編成で活動を続けた時期もあるが、こちらも1990年代半ばまでに終了している。2008年末にはクラシック編成が再結成され、2009年のUKツアーを実施し、その模様は「Return To Eden」として発表された。2012年には「Brilliant」を出してツアーも行っているが、2013年以降は活動を終えている。
Ultravoxの曲で最も知られているのは、1981年の「Vienna」だ。UKシングル・チャートでは1位に届かなかったが、ラジオでの大量オンエアとセールスの両面で大きな反応を集めた。ちょうど同時期に、Joe Dolceの「Shaddap You Face」が3週連続で1位を守っていたため、「Vienna」は2位にとどまった。
このチャート争いは後年まで話題になっていて、BBC Radio 2とOfficial Charts Companyの投票では、「1位を逃した楽曲の中で最も愛される2位曲」の1位に選ばれている。結果として、「チャート1位を逃した名曲」として語られる機会が多い。
Ultravoxの音は、シンセサイザーを前面に出した編成が軸になっている。ロックのバンド編成に電子音を組み合わせ、リズムとメロディをはっきり出す作りが特徴だ。特にMidge Ure加入後の時期は、シンセのフレーズとギター、ドラムがきっちり組み合わさった楽曲が多い。
「Vienna」「Hymn」「Dancing With Tears In My Eyes」あたりは、その方向性が分かりやすい曲だ。いずれもUKでヒットしていて、Ultravoxの名前を広める役割を果たしている。
Ultravoxはメンバー交代が多いバンドでもある。初期の中心人物としてはBilly Currie、Warren Cann、Chris Cross、John Foxxがいて、そこにStevie ShearsやRobin Simonが加わった時期がある。クラシック編成ではMidge Ureが加わり、最も成功したラインアップになった。
その後の編成ではTony Fenelle、Sam Blue、Gary Williams、Tony Holmes、Vinny Burnsらも参加している。時期ごとにメンバーが変わりながらも、Billy Currieは長くバンドの核として関わっている。
Ultravoxは、80年代の英国ポップスとニュー・ウェイヴの流れの中で、電子音を中心にしたバンドサウンドを広く知らしめたグループのひとつだ。特に「Vienna」は、当時のチャート結果とは別に、今もバンドを代表する曲として扱われている。
公式サイトやFacebook、各種音楽データベースでも情報をたどれるので、興味があれば時期ごとの編成や作品を追ってみると、バンドの変化が見えやすい。