Vinyl Record Reviews
Van Morrisonは、1945年8月31日にベルファストで生まれた北アイルランド出身のシンガーソングライター、作家、詩人、そしてマルチ・インストゥルメンタリストだ。1950年代後半からプロとして活動しており、歌だけでなくギター、ハーモニカ、キーボード、ドラム、サクソフォンなども演奏する。
ファンからは「Van the Man」と呼ばれている。ジャンルはRockやJazzにまたがり、AcousticやFolk Rockの要素も強い。
音楽活動の始まりは、北アイルランドのバンドThemのリード・シンガーとしての活動だ。1964年の代表曲「Gloria」を書き、バンドの名前を広く知られるものにした。その後、ソロ活動へ移り、1966年にはニューヨークへ渡っている。
1967年のシングル「Brown Eyed Girl」は全米チャートで10位まで上昇し、Morrisonの代表曲のひとつになった。この曲は、彼がBang Recordsと契約していた時期の録音として知られている。
1967年12月にプロデューサーのBert Bernsが急逝すると、レーベルを引き継いだIleneとの間で契約をめぐる対立が起きた。Morrisonは一時、レコーディングやライブ活動を制限される状況に置かれる。
その後、ボストンへ移り、Lewis MerensteinのInherit Productionsと契約してWarner Brothersでの録音につながっていく。この流れの中で制作された『Astral Weeks』は、彼の重要作として語られることが多い。
Bang側との契約条件により、Morrisonは残っていた楽曲の録音を求められた。これに応じて行われたセッションでは、全31曲が即興的に演奏され、後年「Contractual Obligation Session」として知られるようになる。
この音源には、「Twist and Shake」のようにBernsの過去のヒット曲をなぞるものがある一方で、「Want a Danish」や「Ring Worm」のような、ラフな印象のタイトルの曲も含まれている。長く未発表だったが、2017年に公式リリースされた。
Van Morrisonの音楽は、Rockを軸にしながらJazzやFolk Rock、Acousticの要素を行き来する構成が目立つ。歌唱だけでなく、複数の楽器を扱う点も特徴だ。ギターやハーモニカ、キーボード、ドラム、サクソフォンまで演奏するので、作品ごとに音の組み立て方が変わる。
バンドThem時代のR&B寄りの曲作りから、ソロ以降のアコースティック寄りの作品まで、活動の幅は広い。特に、録音の現場で即興性を前面に出したエピソードも残っていて、制作の進め方にも個性が出ている。
Morrisonは1993年にRock and Roll Hall of Fame、2003年にSongwriters Hall of Fameへ殿堂入りしている。2000年にはVH1の「100 greatest artists of rock and roll」で25位、2004年にはRolling Stoneの「The Immortals: 100 Greatest Artists of All Time」で42位に入った。
また、2006年にはPaste Magazineの「100 Greatest Living Songwriters」で20位、2007年にはQ Magazineの「100 Greatest Singers」で22位に選ばれている。2016年には、北アイルランドの音楽産業と観光への功績によりナイトの称号を授与された。
公式サイトのほか、Facebook、Instagram、YouTubeでも情報を確認できる。作品や活動の履歴を追うなら、Wikipedia、AllMusic、Equipboard、MMOneのような資料も参照しやすい。長い活動歴があるので、初期のThem時代からソロの主要作、さらに近年の動きまで順番にたどると、音楽性の変化が見えやすい。