Vinyl Record Reviews
Virusは、西ドイツのビーレフェルトで1970年に結成されたプログレッシブ・ロック・バンドだ。活動期間は短く、70年代前半に2枚のアルバムを残して解散している。
メンバーは時期によって変動があるが、デビュー作『Revelation』では、Werner Monka(ギター)、Jörg-Dieter Krahe(キーボード)、Bernd "Molle" Hohmann(ヴォーカル/フルート)、Reinhold Spiegelfeld(ベース)、Wolfgang Rieke(ドラム)の5人編成で録音している。
1970年に結成されたVirusは、1971年にBASFからデビュー作『Revelation』を発表した。翌年には、BASFのサブレーベルPilzから2作目『Thoughts』を出している。確認できる活動はこの2作が中心で、長い活動歴を持つバンドではない。
その後の活動については、今回の情報では詳しく確認できないが、少なくともレコードとして残した作品はこの2枚に限られている。
『Revelation』は、長尺のジャムを軸にした構成で、ジャーマン・アンダーグラウンド・ロックらしい作りになっている。演奏面では、ギター、オルガン、フルートが前に出る場面が多く、曲の中で即興的なソロが続く展開が目立つ。
音の方向性としては、Pink Floydを思わせる宇宙的な浮遊感と、Deep Purpleに通じる厚いオルガン・サウンドが並んで語られている。サイケデリックな感覚とハード・ロックの要素を同じ曲の中で行き来する作りで、当時のドイツの地下シーンらしい手触りがある。
1971年の『Thoughts』は、BASFのサブレーベルPilzから出ている。デビュー作と同じく、当時のジャーマン・ロックの流れの中で聴かれてきた作品だ。寡作なバンドではあるが、この2枚を通してサイケデリックとハード・ロックを組み合わせた姿勢ははっきりしている。
Virusは活動期間こそ短いが、後年のクラウトロック再評価の中で取り上げられている。特に、Birth ControlやTomorrow's Giftのような同時代のジャーマン・ロック・バンドと並べて語られることがある。作品数は多くないものの、70年代初頭の西ドイツのロックが持っていた実験性や即興性を確認できるバンドとして見られている。
Virusを聴くなら、まずは『Revelation』の長尺曲に注目したい。曲の骨格よりも、その場で音を積み上げていくような展開が中心で、ギター、オルガン、フルートの役割分担がはっきりしている。ジャーマン・ロックの初期作品にある、演奏の流れで曲が進んでいく感覚をそのまま味わえる。
短い活動の中で2枚だけを残したバンドだが、70年代初頭のドイツのロックがどんな音を目指していたのかを知る手がかりとしては、かなり分かりやすい存在だ。
このアーティストの記事はまだありません。