Vinyl Record Reviews
Voyageは、フランスのディスコ・グループだ。1970年代後半から1980年代初頭にかけて活動し、Funk / Soulを土台にしたディスコ作品を発表した。メンバーは、Sylvia Mason-James、Slim Pezin、Marc Chantereau、Sauveur Mallia、Pierre-Alain Dahanの編成で知られている。
ウェブ上の情報では、Voyageはフランスのスタジオ・ミュージシャンを中心に結成されたグループとして紹介されている。中核を担ったSlim Pezin、Marc Chantereau、Sauveur Mallia、Pierre-Alain Dahanの4人は、Voyage以前の1975年に「VIP Connection」名義でディスコ・シングルを2枚出している。その後も、Manu Dibango、Cerrone、Michel Sardou、Michel Legrand、Léo Ferré、Johnny Hallydayといったアーティストのセッションやライブで演奏していた。
つまり、Voyageは専業のバンドというより、現場経験の多いミュージシャンたちが集まって動いたプロジェクトとして見ておくと分かりやすい。
Voyageは英国出身のシンガー、Sylvia Mason-Jamesを迎えて、1977年の1stアルバム『Voyage』でデビューした。ここから「From East to West」と「Souvenirs」がヒットしている。
この2曲は、当時のユーロ・ディスコ/エレクトロニック・ディスコを代表する楽曲として扱われることが多い。特にシンセサイザーや機械的なリズムを前に出した作りが、Voyageの名前を残す要素になっている。
Voyageは1970年代後半から1980年代初頭までに4枚のアルバムを発表している。
2ndアルバム『Let's Fly Away』はダンスチャートで1位を記録している。シングルの成功だけでなく、クラブ向けのアルバムとしても反応を取っていたことが分かる。
Voyageの音楽は、ディスコの基本形にフランスのスタジオ・ワークらしい整った演奏が入っている。ベース、ストリングス、シンセ、コーラスの組み合わせが中心で、リズムは4つ打ちを軸にしている。Funk / Soulの要素もあり、ただ速いだけのディスコではなく、演奏の細かさが残っている。
とくに「From East to West」と「Souvenirs」は、電子音を使ったユーロ・ディスコの流れの中でよく参照される。歌ものとしての分かりやすさと、クラブで鳴らす前提のビート感が両立しているところがポイントになる。
Sylvia Mason-Jamesが脱退した後は、男性4人だけの編成で活動を続け、『Voyage 3』と『Step Higher』を発表した。ただ、この時期にはディスコ・ブーム自体が弱まっていた。グループの勢いも、初期のヒット期ほどは前面に出ていない。
Voyageは、フランス産ディスコの代表格として名前が挙がることが多い。大きな理由は、ヒット曲がはっきりしていることと、サウンドが当時のユーロ・ディスコ/エレクトロニック・ディスコの特徴を分かりやすく持っていることだ。
スタジオ・ミュージシャン出身のメンバー構成、英語詞のボーカル、そしてダンスチャートや各国チャートでの実績が重なって、Voyageは70年代ディスコを追うときに外しにくいグループになっている。