Vinyl Record Reviews
Weenは、アメリカ・ペンシルベニア州ニュー・ホープ出身のオルタナティブ・ロック・デュオだ。中心人物はAaron Freeman(Gene Ween)とMickey Melchiondo(Dean Ween)で、1984年に地元の中学校のタイピング授業で出会った幼なじみとして知られている。バンドは1984年から活動を続け、2012年にいったん活動を止め、その後2015年に再始動したが、2024年8月には再び活動休止に入っている。
Weenという名前は、二人が授業中に作った造語に由来する。俗語の響きを組み合わせた、かなり遊びのある命名だ。さらに、Ramonesにならって姓の代わりに「Ween」を共通の名字のように名乗るやり方も、この頃から使っていた。
Weenを語るうえで外せないのが、彼ら自身が作り上げた守護神「Boognish」だ。7本の角と10本の歯を持つ悪魔のような顔として描かれ、Freemanは善と悪、光と闇、相反する力の象徴として説明している。バンドの神話やイメージ作りも含めて、Weenはかなり独自の世界を持っている。
活動の中心は、1980年代半ばから続く長いキャリアだ。デュオとして始まり、のちにClaude Coleman、Glenn McClelland、Dave Dreiwitz、Andrew Weiss、Kramer、Mean Weenといったメンバーや関係者が加わり、編成や演奏面を広げてきた。プロフィール上では、現在の中核メンバーとしてAaron Freeman、Mickey Melchiondo、Claude Coleman、Glenn McClelland、Dave Dreiwitzが挙げられている。
2012年に活動を止めたあと、2015年に復帰したが、2024年8月に再び休止している。長期間にわたって形を変えながら続いてきたバンドだ。
ジャンル分けではRock、Pop、Folk、World、& Country、Funk / Soulが挙がっていて、スタイルとしてはAlternative RockとCountry Rockが中心に置かれている。実際の作風も、ひとつの型に収まりにくい。
ファンク、ソウル、カントリー、ゴスペル、プログレ、サイケデリア、ヘヴィメタル、パンクなどを横断しながら曲を作ることで知られている。しかも、ジャンルの切り替えを目立たせるだけでなく、ローファイな質感やチープな音作りをあえて使うこともある。そうした振れ幅の大きさが、Weenの大きな特徴になっている。
Weenの面白さは、ジャンルの引用が単なる寄せ集めで終わらないところにある。カントリー寄りの曲もあれば、ファンクやソウルの要素が前に出る曲もあり、曲ごとに雰囲気がかなり変わる。けれども、Boognishのイメージや、遊び心のある構成が全体に通っていて、バラバラに見えてまとまりがある。
オルタナティブ・ロックの文脈で語られることが多い一方で、実際にはロックの周辺だけでは説明しきれないバンドだ。カントリー・ロックの要素を土台にしつつ、いろいろなジャンルを試してきたところに、Weenらしさがある。