Vinyl Record Reviews
Willie Hutchは、アメリカのヴォーカリスト、ギタリスト、ソングライター、プロデューサー。1944年12月6日にロサンゼルスで生まれ、2005年9月19日にダラスで亡くなった。ジャンルはFunk / Soulで、スタイルとしてはFunk、Soul、Rhythm & Bluesにまたがる。
Willie Hutchを語るうえで外せないのが、Jackson 5の「I'll Be There」だ。伝えられているところでは、MotownのプロデューサーHal Davisから真夜中に連絡を受け、一晩で曲を書き上げ、翌朝8時のレコーディングに間に合わせたという。この曲は、当時12歳だったMichael Jacksonがリードを取って全米ポップ・R&B両チャートで1位を記録し、Motownにとって大きなヒットになった。
この実績をきっかけに、Berry GordyはHutchをMotownの専属ライター、アレンジャー、プロデューサーとして起用した。以後はThe Miracles、Marvin Gaye、Smokey Robinson、Diana Rossなど、多くのアーティストの制作に関わっていく。
70年代前半になると、Hutchはブラックスプロイテーション映画のサウンドトラックでも存在感を見せる。1973年の『The Mack』、1974年の『Foxy Brown』の音楽を担当した。
とくに『The Mack』では、「Brother's Gonna Work It Out」や「Slick」がR&Bチャートのトップ20入りを果たしている。これらの曲は、ファンクとソウルを軸にした楽曲として現在も取り上げられることが多い。
Willie Hutchの音楽は、ファンクのリズム感とソウルのメロディ、R&Bの制作感覚が重なっている。ソングライターとしての仕事では、歌のフックをはっきり作る点が目立つ。プロデューサーとしては、Motownの作品群や映画音楽の中で、楽曲を場面に合わせて組み立てる役割も担っていた。
1994年にはダラスへ戻り、過去のヒット曲やサンプリングによる印税を受けながら演奏活動を続けた。2005年、ダラスで60歳で亡くなっている。
Willie Hutchは、ヒット曲の作家としても、Motown周辺の制作を支えた人物としても、さらに映画音楽の作り手としても記録が残っている。ファンクやソウルを掘るときに、名前が出てくる理由ははっきりしている。