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Yonder Pondは、スイス・バーゼルを拠点に活動するRémy Sträuliによるソロ・プロジェクトだ。プロフィール上はRock / Popに分類されているが、実際の音楽性はプログレッシブ・ロックを軸にした内容になっている。Sträuliはドラマーで、バーゼルのさまざまなバンドで経験を積んできた人物であり、アヴァンギャルド・ジャズ、グラム・パンク、Frank Zappaトリビュート、パワーポップなどの現場を通ってきた経歴がある。
Yonder Pondは、Sträuliが40歳の節目をきっかけに立ち上げた自身名義のプロジェクトとして始まった。バンド活動で培った経験をもとに、プログレッシブ・ロックを中心に据えた作品作りを進めている。現在確認できるメンバーはRémy Sträuliで、ソロ・プロジェクトとして展開されている。
Yonder Pondの音楽は、プログレッシブ・ロックを土台にしながら、ポップやサイケデリックの要素も含んでいる。2017年の1作目『Pondering Aloud』では、初期CaravanやSupersisterを思わせるカンタベリー・サウンドが中心に置かれ、そこにGenesisやPat Methenyを連想させる複雑なコード進行が重なっている。さらに、GongやSyd Barrettを思わせる発想の飛び方、The BeatlesやXTCを連想させるメロディの作り方も取り込まれている。
こうした要素は、単にジャンルを並べたものではなく、曲ごとの構成や展開に反映されている。ドラマーとしての出自もあってか、リズムの組み立てや曲の流れに意識が向いた作りになっている。
1作目『Pondering Aloud』は、海外の専門メディアからも評価を受けた作品で、Yonder Pondの方向性を示す内容になっている。カンタベリー系の感触を持ちながら、メロディやコード進行に複数の参照元が見える作りだ。
2作目『Mole In My Shoe』は2023年に発表されていて、プロジェクトとしての作家性をさらに深めた作品として受け止められている。初期作で見えたプログレッシブ・ロック、ポップ、サイケデリックの要素を、より自分のものとして整理している印象がある。
Yonder Pondは、スイスのローカルな音楽シーンで経験を積んだドラマーが、自分の名前でプログレッシブ・ロックを組み立てている点が面白い。影響元として挙げられるアーティストやバンドも幅広く、カンタベリー系、60〜70年代の英国ロック、実験性のあるポップの要素が入り混じっている。作品を追うと、Sträuliがどの要素をどう組み合わせているかが見えやすいプロジェクトだ。