Buzzcocks - Another Music In A Different Kitchen (1978)
Buzzcocks 1978

Buzzcocks - Another Music In A Different Kitchen (1978)

Rock Punk Pop Punk

Buzzcocks『Another Music In A Different Kitchen』

Buzzcocksのデビュー・アルバム『Another Music In A Different Kitchen』は、1978年3月にUKでリリースされた作品。1976年にボルトンでPete ShelleyとHoward Devotoが結成したバンドが、自主制作EP『Spiral Scratch』の後にたどり着いた最初の長編で、同年のシングル「What Do I Get?」に続く時期の記録でもある。全英アルバム・チャートでは15位、アルバムからのシングル「I Don't Mind」は55位を記録した。

制作背景と録音の流れ

本作の制作は、Howard Devotoが1977年3月に脱退した後の編成で進められた(Devotoは「ムーヴメントは好きじゃない」と語り、のちにMagazineを結成)。Pete Shelleyがヴォーカルを引き継ぎ、Steve Diggleはベースからギターへ移行。さらにベースはGarth SmithからSteve Garveyへ交代し、Shelley、Diggle、Garvey、John Maherという布陣が固まった。この編成は、1978年の本作と同年の『Love Bites』、そして1979年の『A Different Kind of Tension』まで続くことになる。

録音は1977年12月から1978年1月にかけて、ロンドンのOlympic Studiosで実施。プロデュースはMartin Rushent、エンジニアはDoug Bennetが担当した。黒いカードボード製の内袋が付属し、初回の一部には「PRODUCT」とカタログ番号を印刷したキャリアバッグが付いていた。オリジナルのバッグは、後に作られた再発品のバッグとは色味や印字が異なる。ジャケットのデザインはMalcolm Garrett。タイトルはLinder Sterlingのコラージュに着想を得たもので、Shelleyによれば、Devotoが主婦についての一節を提案し、バンドがその言葉を並べ替えて今のタイトルにした。

曲ごとの出自も興味深い。「Fast Cars」はDevoto、Diggle、Shelleyの共作で、リフは『Spiral Scratch』の「Boredom」から来ているとされる。そのため初回プレスではShelleyとDevotoのみのクレジットだった。Diggleは曲の9割は自分が書いたもので、自分が遭った自動車事故が元になっていると語っている。「You Tear Me Up」「Love Battery」もDevotoとの共作、「Autonomy」はDiggleの曲。「I Need」はテストプレス後にA面からB面へ移されたが、プレスミスのため初期盤の一部には収録されていない。「Moving Away From The Pulsebeat」はShelleyの曲だが、The FallのドラマーだったPaul Hanleyは、Maherのドラムなしでは成立しないと語っている。

時代の文脈の中で

Buzzcocksは、1977年8月16日にマンチェスターのElectric CircusでUnited Artistsと契約した。Elvis Presleyが亡くなったその日のことだった。同年10月のシングル「Orgasm Addict」からMartin Rushentとの仕事が始まり、1978年2月には「What Do I Get?」が全英37位に入っている。本作はその直後、1978年3月10日に発売された。

ただし、このアルバムには当時のシングル曲は収録されていない。後年のCD再発では「Orgasm Addict」「What Do I Get?」がボーナス曲として追加された。発売後の1978年には、同じメンバーで2作目『Love Bites』も出ており、こちらは全英13位まで上がっている。

その後の参照と再評価

後年、このアルバムの曲はいくつかのバンドに参照された。「No Reply」はSS Decontrolが1983年のEP『Get It Away』でカバーし、「Autonomy」はThe Offspringがシングル「Want You Bad」で取り上げた。Sub PopのLove Batteryは、収録曲「Love Battery」からバンド名を取っている。

再評価の面では、BBC MusicでDavid Quantickが本作を生涯最も好きなアルバムと述べ、ジャケットとRushentのプロダクションを高く評価している。『死ぬまでに聴きたいアルバム1001枚』にも選ばれた。2008年の再発盤には、1977年9月のJohn Peelセッションや、同年10月のElectric Circusでのライブも追加されている。

Buzzcocksはその後、アメリカのパンク、ハードコア、インディー・ロックや、The SmithsのJohnny Marrにも影響を与えた。Marrは、バズコックスのDIYなやり方に影響を受けたと語っている。

トラックリスト

  1. A1 Fast Cars 2:07
  2. A2 No Reply 2:07
  3. A3 You Tear Me Up 2:32
  4. A4 Get On Our Own 2:31
  5. A5 Love Battery 2:16
  6. A6 16 3:50
  7. B1 I Don't Mind 2:20
  8. B2 Fiction Romance 4:38
  9. B3 Autonomy 3:52
  10. B4 I Need 2:50
  11. B5 Moving Away From The Pulsebeat 5:40

動画プレイリスト

公開: 2026年10月
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