King Sunny Ade & His African Beats - Juju Music (1982)
King Sunny Ade & His African Beats 1982

King Sunny Ade & His African Beats - Juju Music (1982)

Folk, World, & Country African

King Sunny Ade & His African Beats『Juju Music』

1982年に米国Mangoから出た、ナイジェリアのジュジュ音楽を世界市場へ大きく押し出した作品だ。King Sunny Ade & His African Beats名義では、いわゆるメジャー流通での初期の代表作にあたる位置づけで、アデにとっては西洋圏での本格的な露出につながった1枚として語られている。

作品の輪郭

このアルバムは、ナイジェリアですでに大きな人気を持っていたKing Sunny Adéの音楽を、英語圏のリスナーにも届く形で提示した作品だ。リズムの反復、ギターの細かいフレーズ、打楽器の積み重なりが軸になっていて、曲が進むにつれて演奏の層が少しずつ厚くなっていく構成が印象に残る。

ジュジュ音楽の基本である、踊りのための持続感と、演奏の流れの中で細部が変化していく感じがはっきり出ている。録音全体も、各楽器の役割が見えやすい作りで、演奏の輪郭を追いやすい盤だ。

アーティストにとっての位置づけ

King Sunny Adéは、ナイジェリアではすでに「juju musicの王」と見なされていた存在で、この『Juju Music』はその実績を背景にした世界進出盤という性格が強い。アフリカ大陸内での評価に加えて、米国の大手レーベルから出たことで、欧米のリスナーにとっての入口になった作品といえる。

レビューや当時の受け止めでも、このアルバムが後のワールド・ビート受容の流れに関わったとされている。少なくとも、アフロ・ポップや西アフリカ音楽が米国のポピュラー音楽文脈で語られる際の、早い段階の重要盤として扱われてきた。

同時代の文脈

1980年代初頭のこの時期、欧米では「アフリカのポップス」や「ワールド・ミュージック」という受け止め方がまだ今ほど定着していない。そんな中で、このアルバムは、ナイジェリアの都市音楽をメジャー・レーベルの流通で提示した点に意味がある。

比較対象としては、フェラ・クティのアフロビートと並べて語られることがあるが、King Sunny Adéの軸はあくまでジュジュ音楽だ。政治性を前面に出すタイプというより、長尺の演奏、ダンス性、ギター主体のアンサンブルで聴かせる方向に重心がある。

ヒット性と評価

本作は商業的にも評価され、Billboardの「Pop Albums」チャートで111位まで上昇したとされる。ナイジェリア国外での知名度という点では、King Sunny Adéのキャリアを広げた代表作のひとつに数えられるだろう。

当時の批評では、ダンス音楽としての新鮮さが注目されていた。後年の回顧でも、アメリカにおけるアフロポップ受容の起点のように語られることがある。

聴きどころ

この盤でまず目に入るのは、演奏の重なり方だ。ギターが前に出すぎず、打楽器と歌の推進力を支えながら、曲全体を長い呼吸で進めていく。耳を引くソロや派手な展開で押すタイプではなく、反復の中で少しずつ熱量を上げていく作り。

実際に聴くと、曲ごとのテンポ感やリズムの置き方の違いがわかりやすい。踊れる感覚と、細かい演奏の積み上げが同時にある盤で、アルバム単位で流れをつかむタイプの作品だ。

まとめ

『Juju Music』は、King Sunny Adé & His African Beatsの代表的な初期作であり、ナイジェリアのジュジュ音楽を国際的に知らしめた重要盤だ。1982年の米国リリースとして、アフロポップが欧米のリスナーに届く流れの中で、はっきりした役割を持つ1枚である。

ジャンルの入口としても、King Sunny Adéのキャリアを知る盤としても、歴史的な意味を持つ作品だ。

トラックリスト

  1. A1 Ja Funmi 7:07
  2. A2 Eje Nlo Gba Ara Mi 7:17
  3. A3 Mo Beru Agba 3:27
  4. A4 Sunny Ti De Ariya 3:45
  5. B1 Ma Jaiye Oni 5:06
  6. B2 365 Is My Number / The Message 8:17
  7. B3 Samba / E Falabe Lewe 8:05

動画プレイリスト

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