Vinyl Record Reviews
A Taste Of Honeyは、1972年にロサンゼルスで結成されたアメリカのグループだ。Janice-Marie JohnsonとPerry Kibbleを中心に始まり、後にHazel P. Payne、Donald R. Johnsonを加えた編成で活動した。ジャンルはFunk / Soulで、スタイルとしてはFunk、Soul、Discoに位置づけられている。
このグループは、メンバー自身が歌うだけでなく楽器も演奏する「セルフコンテインド・バンド」として知られている。女性メンバーを含む編成で、自分たちの演奏と歌唱を前面に出していた点が特徴になっている。
活動の転機になったのが、1978年のデビュー・シングル「Boogie Oogie Oogie」だ。この曲でA Taste Of Honeyは一気にディスコ時代を代表する存在として注目を集めた。Billboard Hot 100では3週連続1位を記録し、200万枚を売り上げたとされている。
この曲は、ディスコの時代にヒットした楽曲としてだけでなく、バンド自身の演奏力とポップな構成が前面に出た作品としても扱われている。ファンクとソウルの要素を土台にしながら、当時のダンス・ミュージックの流れにしっかり乗った1曲だ。
レーベル契約後、プロデューサー兼ソングライターのLarry & Fonce Mizellの提案もあり、A Taste Of Honeyは注目を広げていった。1979年のグラミー賞では、Best New Artist部門で黒人グループとして初めて受賞している。
1980年にはカルテットから、Janice Marie JohnsonとHazel Payneの2人編成へと変わった。以後の活動では、このデュオ形態が中心になっていく。
もう一つの代表曲が、坂本九の「上を向いて歩こう(Sukiyaki)」を英語詞でカバーした1981年のバージョンだ。Janice Marie Johnsonが新たに英語詞を書き、原曲のメロディを使いながら別の内容に作り替えた作品になっている。
このカバーは、1980年のアルバム『Twice As Sweet』に収録されたあと、1981年にシングルとして発表された。BillboardのR&Bチャートとアダルト・コンテンポラリー・チャートで1位、Hot 100でも最高3位を記録している。原曲の日本語詞をそのまま訳したものではなく、別の視点で書かれた英語詞として受け止められている。
A Taste Of Honeyの音楽は、Funk、Soul、Discoをつなぐ位置にある。バンド編成で自分たちの演奏を行いながら、シングルではダンス・ミュージックとしての分かりやすさも押し出している。
「Boogie Oogie Oogie」ではディスコのリズムとファンクのベース感が前に出ていて、「Sukiyaki」ではメロディの強さを生かした歌ものとしての側面が見える。ヒット曲の振れ幅はあるが、どちらもグループの中心にあるのはJanice Marie Johnsonの制作力と、メンバーの演奏を軸にした構成だ。
ディスコの時代を代表するヒットを持ちながら、ソウルやファンクの文脈でも語られるグループだ。シングルの成功だけでなく、セルフコンテインド・バンドとしての立ち位置も含めて見ると、A Taste Of Honeyの個性が見えやすい。