A Taste Of Honey - Twice As Sweet (1980)
A Taste Of Honey 1980

A Taste Of Honey - Twice As Sweet (1980)

Funk / Soul Funk Soul Disco

A Taste of Honey『Twice As Sweet』

1980年にUS Capitol Recordsから登場したA Taste of Honeyの『Twice As Sweet』は、ファンク、ソウル、ディスコの流れをまとったグループの中核作。A Taste of Honeyはロサンゼルスで結成されたアメリカのグループで、ジャニス・マリー・ジョンソンとヘイゼル・ペインを軸に活動していた。前作で注目を集めたあとに出た本作は、単なる続編というより、グループの実力を広く示した時期の作品として位置づけられる。プロデュースはジョージ・デューク。演奏、アレンジ、歌の運びがきっちり整理されていて、当時のブラック・ポップの空気感がよく出ている。

アルバムの輪郭

この作品は、ダンス・ミュージックとしての推進力と、R&Bらしいメロディの運びが同居している。リズムは細かく刻まれ、ベースラインは前に出すぎず、それでも曲全体をしっかり支える。そこに女性ヴォーカルの掛け合いが乗ることで、A Taste of Honeyらしい輪郭がはっきりする。ファンクやディスコの文法を使いながら、単にフロア向けに寄せるのではなく、歌をきちんと聴かせる作りになっている点が印象的だ。

録音面ではCapitolのクレジットが示す通り、US盤としての当時の標準的な仕上がりを持つ。今回の盤はレッド・ラベル仕様で、同じST-12089番でもパープル・ラベル盤が存在する。内容は同じでも、Capitolの時代を追ううえではラベル差がひとつの見どころになる。レーベルの色味や印字の違いは、80年前後のCapitol盤らしいディテールと言える。

「Sukiyaki」の存在感

本作を語るうえで外せないのが「Sukiyaki」だ。もともと坂本九のヒット曲として知られたこの曲に、新しい英語詞をつけて録音したのがA Taste of Honey版である。ジャニス・マリー・ジョンソンが原曲の日本語詞の意味を手がかりに英語詞を書いたことでも知られ、アルバムの中でも特に話題を集めた。曲中には琴の音色も入り、当時のポップ市場ではかなり目を引く作りになっている。

この曲は後に大きくヒットし、1981年にはR&Bチャートとアダルト・コンテンポラリー・チャートで1位、Billboard Hot 100でも3位を記録した。先行曲としての「Rescue Me」も含めて、本作の印象を決める大きな要素になっている。アルバム全体の中では、そのヒット曲だけが突出しているわけではなく、周囲の曲も同じ制作ラインの中で整えられているため、作品としてのまとまりがある。

ジョージ・デューク制作の手つき

プロデューサーのジョージ・デュークは、当時のジャズ、フュージョン、R&Bをまたぐ存在として知られていたが、この作品でもその感覚が出ている。音を詰め込みすぎず、必要なフレーズを前に出す構成。キーボードの配置やリズムの抜き差しに、いかにも80年初頭らしい整理された感触がある。ディスコの熱量を残しながら、次の時代のソウル寄りポップへつながる作りと言えそうだ。

A Taste of Honey自身にとっても、この時期は重要だ。デビュー後の勢いを保ちながら、グループとしての代表曲を明確にした作品であり、後年まで語られる要素がこの1枚にまとまっている。特に「Sukiyaki」は、グループの名前を広く知らしめた決定打として扱われることが多い。

同時代の流れの中で

『Twice As Sweet』は、70年代末から80年代初頭にかけてのソウル/ディスコの接点に置くと見えやすい。歌モノの強さ、ダンス・トラックとしての機能、そしてポップ・チャートへの接続。そのあたりは、同時代のブラック・コンテンポラリー作品と共通する部分がある。一方で、A Taste of Honeyは男女混成の編成とヴォーカルの受け渡しが特徴で、そこが他のディスコ・ソウル系グループとは少し違う。曲の進み方に、バンドとしてのまとまりが残っている点も見逃せない。

80年という年を考えると、ディスコの熱が完全に消える前の、最後の整理された時期の空気がある。派手な装飾で押すというより、リズム、歌、フックをきちんと並べるタイプの作品で、アルバム全体の作りもその方向に揃っている。A Taste of Honeyのディスコ寄りソウルを知るうえで、外せない1枚と言える内容だ。

まとめ

『Twice As Sweet』は、A Taste of Honeyの作品群の中でも、ヒット曲とアルバム全体のバランスが取れた1980年作として印象に残る。ジョージ・デュークの制作、CapitolのUS盤らしいリリース事情、そして「Sukiyaki」の独自の存在感。そうした要素がひとつの作品にまとまっていて、当時のファンク/ソウル/ディスコの流れを具体的に伝えてくれるアルバムである。

トラックリスト

  1. A1 Ain't Nothin' But A Party 4:54
  2. A2 Rescue Me 3:50
  3. A3 Superstar Superman 3:03
  4. A4 I'm Talkin' 'Bout You 5:15
  5. B1 She's A Dancer 3:07
  6. B2 Don't You Lead Me On 3:19
  7. B3 Good-Bye Baby 4:01
  8. B4 Say That You'll Stay 4:25
  9. B5 Sukiyaki 3:19

動画プレイリスト

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