Donna Summer

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Donna Summer

Donna Summerとは

ドナ・サマー(Donna Summer、本名LaDonna Adrian Gaines、1948年12月31日 - 2012年5月17日)は、アメリカ・ボストン出身のシンガー、ソングライターである。「ディスコの女王(Queen of Disco)」と称され、1970年代のディスコ・ブームを世界的な社会現象へと押し上げただけでなく、プロデューサーのジョルジオ・モロダー(Giorgio Moroder)とともにシンセサイザー主体のエレクトロニック・ダンス・ミュージック(EDM)の礎を築いた。全世界で1億枚以上のレコード・セールスを記録し、グラミー賞を5部門で受賞。2013年には「ロックの殿堂(Rock and Roll Hall of Fame)」入りを果たした。

欧州での下積みとジョルジオ・モロダーとの邂逅

ボストンの敬虔なキリスト教家庭に生まれ、教会でゴスペルを歌って育ったサマーは、1968年にミュージカル『ヘアー(Hair)』のドイツ公演キャストに抜擢されて西ドイツ・ミュンヘンへと渡った。その後『ゴッドスペル』などの舞台出演やスタジオのバック・シンガーとしてヨーロッパで活動を続けるなか、ミュンヘンのミュージックランド・スタジオでイタリア人プロデューサーのジョルジオ・モロダーおよびピート・ベロッテ(Pete Bellotte)と運命的な出会いを果たす。

1975年、サマーの官能的な吐息と甘美なメロディを前面に押し出した「Love to Love You Baby(愛の誘惑)」を発表。米カサブランカ・レコーズ(Casablanca Records)の社長ニール・ボガートがこの曲に惚れ込み、ダンスフロア向けに全編17分に及ぶ長尺バージョンを制作させたことで、瞬く間に世界的な大ヒットを記録(全米2位)。ドナ・サマーは一躍、時代のセックス・シンボルにしてディスコ・シーンの新星として脚光を浴びた。

「I Feel Love」の衝撃とエレクトロニック・ダンスの夜明け

1977年のコンセプト・アルバム『I Remember Yesterday』の最後を飾ったシングル「I Feel Love」は、ポピュラー音楽史のパラダイムシフトを起こした記念碑的トラックである。

生オーケストラのストリングスが主流だった当時のディスコ・サウンドと一線を画し、モーグ・シンセサイザーによる精密なシーケンス・ベースと完全なエレクトロニック・ビートのみで構築されたこの曲に、サマーのエコーを効かせた浮遊感あふれるヴォーカルが重ね合わされた。ベルリンでデヴィッド・ボウイのアルバム『Heroes』を制作中だったブライアン・イーノが、スタジオにこのレコードを持ち込み「未来の音を聴いた。これこそがそれだ。クラブ・ミュージックのサウンドは今後15年で激変するだろう」と叫んだという逸話はあまりにも有名である。「I Feel Love」は、後のシンセ・ポップ、Hi-NRG、テクノ、ハウス、そして現代のEDMに至るすべての電子音楽の青写真となった。

前人未到のチャート制覇と黄金期

1970年代後半、ドナ・サマーの人気はピークに達した。彼女はアメリカのビルボード・アルバム・チャートにおいて、3作連続で2枚組LP(ダブル・アルバム)を全米1位に送り込んだ史上初のアーティストとなった(『Live and More』『Bad Girls』『On the Radio: Greatest Hits Volumes I & II』)。

さらに「MacArthur Park」「Hot Stuff」「Bad Girls」、そしてバーブラ・ストライサンドとの夢のデュエット「No More Tears (Enough Is Enough)」と、わずか1年あまりの間に4曲の全米シングル1位を叩き出した。

1979年の歴史的傑作『Bad Girls』では、ディスコの快楽性に骨太なハード・ロックのギター(ドゥービー・ブラザーズのジェフ・"スカンク"・バクスター)を融合させた「Hot Stuff」が大ヒット。サマーはこの曲で、新設された第22回グラミー賞「最優秀女性ロック・ボーカル・パフォーマンス賞」の初代受賞者となり、黒人女性アーティストとしてロックの垣根を破る歴史的偉業を成し遂げた。

80年代以降の進化と多才な足跡

1980年、新たに設立されたゲフィン・レコード(Geffen Records)の第1号契約アーティストとして移籍。ニュー・ウェイヴ色を取り入れた『The Wanderer』(1980年)や、クインシー・ジョーンズがプロデュースを手がけマイケル・ジャクソンやスティーヴィー・ワンダーがコーラスに参加した『Donna Summer』(1982年)を発表した。

1983年には、働く女性の誇りと過酷な日常を力強く歌い上げた「She Works Hard for the Money(情熱物語)」が全米3位の特大ヒットを記録し、MTVでヘビーローテーションされた初期の黒人女性アーティストの代表例となった。1989年には英国のヒットメイカー・チーム、ストック・エイトキン・ウォーターマン(SAW)と組んだ『Another Place and Time』から「This Time I Know It's for Real」が世界中でヒット。1997年にはジョルジオ・モロダーと再びタッグを組んだ「Carry On」で、グラミー賞「最優秀ダンス・レコーディング賞」の初代受賞者にも輝いた。

音楽史における不滅の遺産

ドナ・サマーの真の凄みは、単なる「ディスコ・ディーヴァ」の枠を遥かに超えたソングライターとしての実力と、圧倒的な歌唱表現力にあった。当時のディスコ系シンガーがプロデューサー主導の素材とみなされがちだった時代において、彼女は自身のヒット曲の大半を作詞・作曲し、プロデュースにも主体的に関与した。

ゴスペル仕込みの力強いベルティングから、息遣いを生かした繊細で官能的なウィスパーまでを自在に操るその歌声は、マドンナ、ホイットニー・ヒューストン、ジャネット・ジャクソン、ビヨンセらに至る歴代のポップ/ダンス・アイコンたちに直結する道筋を拓いた。2012年に63歳で惜しまれつつ世を去ったが、彼女が創出したビートと歌声は今なお世界中のダンスフロアを揺るがし続けている。

ジャンル・スタイル

Electronic Funk / Soul Pop Ballad Disco Funk Soul Synth-pop
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