Vinyl Record Reviews
Giorgio Moroder(ジョルジオ・モロダー)は、1940年4月26日生まれのイタリア出身のミュージシャン、作曲家、編曲家、プロデューサー、パフォーマー、DJだ。イタリアのオルティゼーイ(ボルツァーノ)で生まれ、現在はアメリカ・ロサンゼルスで活動している。
電子音楽やディスコの分野で特に知られ、これまでにアカデミー賞3回、グラミー賞3回、ゴールデングローブ賞3回を受賞している。1970年代には、後に「ミュンヘン・サウンド」と呼ばれるスタイルを作り上げた中心人物として扱われている。
モロダーの名前が広く知られるようになったのは、1970年代のドナ・サマーやロベルタ・ケリーとの仕事だ。ここで形になったのが、いわゆる「ミュンヘン・サウンド」だとされる。後年広まるイタロ・ディスコと混同されることもあるが、時期としてはミュンヘン・サウンドのほうが先に登場している。
この時期の作品では、ダンス・ミュージックにシンセサイザーを前面に出した作りが目立つ。モロダーはパートナーのピート・ベロッテとともに、ディスコの制作手法を更新していった。
1977年のドナ・サマー「I Feel Love」は、モロダーの代表作としてよく挙げられる。キックドラム以外のほぼすべてをモーグ・シンセサイザーで作ったトラックで、当時としては打ち込み主体のダンス・ミュージックを強く押し出した作品だった。
ブライアン・イーノがこの曲について「これから15年間のクラブ・ミュージックの音を変える」と語ったと伝えられている。実際、この曲はシンセポップ、イタロ・ディスコ、ハイエナジー、ハウス、テクノなど、その後のエレクトロニック・ダンス・ミュージックに大きな影響を与えた作品として扱われている。
モロダーは映画音楽でも評価が高い。『真夜中の疾走』(1978年)でアカデミー作曲賞を受賞し、『フラッシュダンス』(1983年)の主題歌「Flashdance...What a Feeling」と、『トップガン』(1986年)の「Take My Breath Away」でアカデミー歌曲賞を受賞している。これでオスカーは合計3回となる。
そのほかにも、『スカーフェイス』『アメリカン・ジゴロ』など、多くの映画音楽を手がけている。映像作品と音楽をつなぐ仕事でも、かなり大きな存在感がある。
ジャンル表記としては Electronic、Rock、Pop が挙げられている。スタイル面では Pop Rock や Bubblegum も含まれている。とはいえ、モロダーの名前でまず思い浮かぶのは、やはり電子音を使ったダンス・トラックと、映画音楽の仕事だ。
ウェブ検索で確認できる範囲でも、彼の作品はディスコの枠に収まらず、その後のクラブ・ミュージック全体に関わる流れの中で参照されている。シンセサイザーを使った反復的なグルーヴ、明確なビート、メロディの分かりやすさが、モロダーの仕事の軸として見えてくる。
プロフィールによると、モロダーは現在もロサンゼルスで暮らし、DJとしても活動している。もともとプロデューサーとしての仕事で知られているが、今は趣味の延長としてDJを続けている形だ。
また、自身の公式サイトやSNS、YouTube、SoundCloud、Bandcampなど複数の関連サイトが公開されていて、過去の作品や近年の動きに触れやすい環境もある。
モロダーの仕事を追うと、ディスコ、シンセ、映画音楽が一本の線でつながって見えてくる。70年代のクラブ・ミュージックから80年代の映画主題歌まで、かなり広い範囲で名前が残っている人物だ。