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Marcos Valle(マルコス・ヴァーリ)は、1943年9月14日にリオデジャネイロで生まれたブラジルのシンガー/ソングライター/レコード・プロデューサーだ。ジャンルとしてはJazzやLatin、スタイルとしてはBossa NovaやLatin Jazzに位置づけられている。
1960年代のボサノヴァ・シーンで注目を集め、レコード会社オデオンと契約後、兄の作詞家 Paulo Sérgio Valle と共作した「Samba de Verão(英題: Summer Samba / So Nice)」で国際的な知名度を得た。この曲は、ブラジル音楽史の中でもカバー数が多い楽曲の一つとして知られている。
Marcos Valleは、ボサノヴァの文脈から出発しながら、1970年代にかけて音楽性を大きく広げていく。1964年のクーデター以降、ブラジルでは軍事独裁政権下の検閲が強まり、当時の音楽家たちは厳しい環境に置かれた。その中でヴァーリは、Marcos Valle、Garra、Vento Sul、Previsão do Tempo といった1970年代前半の作品で、サンバやボサノヴァにブラック・アメリカン・ミュージック、ファンク、ディスコ、サイケデリック・ロック、バロック・ポップなどを取り入れていった。
この時期の作品では、ボサノヴァをそのまま繰り返すのではなく、リズムや編曲、楽器の使い方を変えながら、より広いポップ/ジャズの文脈に接続している。ブラジル音楽の中で、ボサノヴァを固定した様式として扱わず、別の音楽要素と組み合わせていった点が特徴になっている。
1986年から1997年までの11年間、活動に空白期間があったが、その後に発表した Nova Bossa Nova をきっかけに、ロンドンのレーベル、Far Out Recordings との関係が始まった。以降は Escape(2001年)、Contrasts(2003年)などを継続的に発表している。
Far Out Recordings との関係以降は、旧作の再評価だけでなく、新しい世代のリスナーにも届く形で作品が受け取られてきた。サンプリング・カルチャーとの接点もあり、過去のブラジル音楽を掘り下げる文脈の中で名前が挙がることが多い。
Marcos Valleは、公式のBandcampページやFacebook、Far Out Recordingsのアーティストページなどで作品情報を確認できる。IMDbやWikipediaにもプロフィール情報が掲載されている。なお、プロフィール上では、ブラジルのボーカリスト Anamaria Valle と1965年から1969年まで結婚していたこと、のちに別の歌手と結婚したことが記されている。
長く活動を続けながら、ボサノヴァの枠に収まらない作曲と制作を重ねてきた人物として、Marcos Valleはブラジル音楽を追ううえで外せない名前のひとりだ。