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Motörheadは、1975年6月にイアン・フレイザー・キルミスター、通称レミーを中心に結成されたイングランドのロック・バンドだ。レミーはベーシスト、ヴォーカリスト、ソングライターを兼ね、2015年に亡くなるまで唯一の不動メンバーだった。
レミーは1975年5月、当時在籍していたホークウィンドの北米ツアー中にカナダ国境付近のウィンザーで薬物所持の疑いで逮捕され、その後ホークウィンドを解雇された。この出来事のあと、ギタリストのラリー・ウォリス、ドラマーのルーカス・フォックスとともに新バンドを始めたのがMotörheadの出発点だ。当初は「Bastard」を名乗る案もあったが、別の名前に改められ、ホークウィンド時代にレミーが書いた最後の曲名に由来するMotörheadになった。
Motörheadは、1970年代後半から1980年代前半にかけて勢いを強めた。1977年には、アーティストのジョー・ペタニョが手がけた、牙のある顔のロゴ「Snaggletooth」も登場している。
代表作としては、Overkill、Bomber、Ace of Spades、そしてライブ盤のNo Sleep 'til Hammersmithがよく挙げられる。特にこの時期の作品で、バンドの評価はかなり固まった。1980年代前半にはUKシングルチャートでも成功を収めている。
活動終了までに、スタジオ・アルバム23枚、ライヴ盤10枚、コンピレーション12枚、EP5枚を発表している。2012年時点で、全世界のアルバム売上は1500万枚を超えていた。
レミーは1975年の段階から「これはロックンロールだ」と呼んでいた。一方で、外からはニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタルの先駆け、あるいは初期の重要バンドとして扱われることが多い。
Motörheadの音は、パンク、ロックンロール、ハードロック、ヘヴィメタルが混ざったものとして整理されることが多い。レミー本人の言い方に沿えばロックンロールだが、実際にはその速さと荒さが強い。
パンクの勢いをヘヴィメタルに持ち込んだことで、スピードメタルやスラッシュメタルの流れにも影響を与えたとされる。演奏はパワートリオ編成が基本で、ベース、ギター、ドラムの3人で押し切る形が多かった。
歌詞の題材もはっきりしている。戦争、善悪、権力の乱用、奔放な性、薬物、そしてギャンブルがよく出てくる。特にギャンブルはMotörheadを語るうえで外せない要素だ。
Motörheadには多くのメンバーが参加したが、最後の編成は次の3人だ。
過去には、Fast Eddie Clarke、Phil “Philthy Animal” Taylor、Brian Robertson、Pete Gill、Michael “Wurzel” Burston、Larry Wallis、Lucas Fox などが在籍していた。活動期間の長さに対して、メンバーの入れ替わりはかなり多いバンドだ。
2015年12月26日、レミーは進行の速い悪性のがんと診断された。その2日後の12月28日、自宅で亡くなっている。死因は前立腺がんとうっ血性心不全とされている。
レミーの死後、ミッキー・ディーはMotörheadが正式に解散したと発表した。以後はツアーもアルバム制作も行われていない。
Motörheadはグラミー賞を1回受賞している。受賞作は「Whiplash」で、部門はBest Metal Performanceだ。
また、VH1の「100 Greatest Artists of Hard Rock」では26位に入っている。ヘヴィメタルの文脈で語られることが多い一方で、バンド自身の自己認識は一貫してロックンロール寄りだった。このズレも、Motörheadらしさの一つとして見られている。