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Mtume(読みは「エム・トゥー・メイ」)は、1978年にJames MtumeとReggie Lucasを中心に結成されたアメリカのR&B/ジャズ・ファンク・バンドだ。バンド名は、James Mtumeの姓に由来していて、スワヒリ語で「音楽家」を意味する。
メンバーにはHubert Eaves III、Philip Field、Howard King、Edward Moore、Tawatha Agee、Raymond Jackson、Basil Fearringtonらが名を連ねている。80年代に入ると、MtumeはR&Bチャートで存在感を見せるようになり、「Juicy Fruit」「So You Wanna Be A Star」「You, Me and He」などの楽曲を残した。
James Mtumeはフィラデルフィア出身のミュージシャンで、ジャズ・サクソフォニストJimmy Heathを実父に持ち、ピアニストJames "Hen Gates" Formanと母Bertha Formanのもとで育てられた。10代から音楽の現場に関わり、1971年から1975年にかけてはMiles Davisの電化バンドにコンガ奏者として参加している。
この時期には、Airto Moreiraの後任として『On the Corner』(1972年)や『Big Fun』(1974年)などに参加していて、まずはジャズ・パーカッショニストとしてキャリアを固めていた。その後、盟友Reggie LucasとともにR&BグループMtumeを立ち上げた形になる。
Mtumeの音楽は、ジャズ由来の演奏感とファンクのリズム、R&Bのメロディを組み合わせたものとして語られることが多い。実際、彼らの曲には、踊れるビートと覚えやすいフレーズ、そして恋愛をテーマにした歌詞がまとまっている。
派手に音数を詰め込むタイプというより、グルーヴを軸にした作りが目立つ。James Mtumeのジャズ経験が土台にありつつ、80年代R&Bの聴きやすさに寄せたバランスで作られている。
Mtumeの代表曲としてまず挙がるのが「Juicy Fruit」だ。1983年に発表されたこの曲は、バンド最大のヒットとして知られている。「So You Wanna Be A Star」「You, Me and He」も含めて、80年代のR&Bシーンでしっかり結果を残した。
とくに「Juicy Fruit」は、その後のヒップホップにも影響を残した。1994年にThe Notorious B.I.G.が「Juicy」でこの曲のグルーヴをサンプリングし、デビュー作『Ready to Die』収録曲として大きなヒットにつなげている。Mtumeの音源が90年代のヒップホップで再利用されたことで、バンドの名前もあらためて広く知られるようになった。
Mtumeの音楽は、R&Bだけでなくヒップホップの文脈でも参照されてきた。サンプリングの対象として使われた楽曲が多く、過去の録音が別の世代の作品に組み込まれていった。
バンドは1986年に解散したが、James Mtumeはその後もソロ活動やプロデュースで音楽活動を続けている。ジャズの現場で出発し、R&Bグループのフロントに立ち、さらにサンプリングを通じて90年代ヒップホップにもつながっていった流れは、Mtumeの活動歴を追ううえで押さえておきたいところだ。
Mtumeを聴くなら、まず「Juicy Fruit」から入ると全体像がつかみやすい。ベースの動き、コーラスの作り、歌の運び方など、80年代R&Bの手触りがまとまっている。
そのうえで、Miles Davisの作品でJames Mtumeの演奏歴をたどると、ジャズ・パーカッショニストとしての出自も見えてくる。ジャズ、ファンク、R&B、そしてヒップホップまでつながる流れが、この名前の中に入っている。