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Squarepusherは、イングランド出身の電子音楽家トム・ジェンキンソンのソロ名義だ。Warp Recordsに所属し、IDM、ブレイクビーツ、ドラムンベースを軸に活動してきた。プロフィールではドラムンベースとアシッドを中心にしつつ、ジャズの影響が強いアーティストとして紹介されている。
トム・ジェンキンソンは1975年1月17日、イギリスのエセックス州チェルムズフォード生まれ。幼少期からジャズ・ミュージシャンだった父親の影響を受け、ベースとドラムスの両方を身につけたとされる。兄はAndy Jenkinson。
この演奏経験が、その後の音楽活動の土台になっている。特にフレットレス・ベースの使い方は、Squarepusherの音楽を語るうえで重要な要素として扱われることが多い。
Squarepusherの楽曲は、ドラムンベース、IDM、アシッドテクノ、ジャズフュージョン、エレクトロアコースティックなど、複数の要素をまたいで展開する。なかでもフレットレス・ベースを前面に出した演奏は、ジャズとのつながりを強く感じさせる部分だ。
打ち込み中心の電子音楽でありながら、ベース演奏のニュアンスがかなりはっきり残る。高速なビート、細かく組み替えられるリズム、即興的に動くベースラインが組み合わさることで、他の電子音楽家とは違う聴こえ方を作っている。
Squarepusherはライブの独自性でも知られている。高速なベースプレイを軸にしながら、LEDを敷き詰めたマスクを使ったオーディオビジュアル演出を行うことがある。音だけでなく視覚面でも強い印象を残す構成を取ってきた。
また、覆面の演奏者たちによるバンド編成でのライブや、エレクトリックベースのソロ演奏だけで構成されたアルバムなど、編成や形式を固定しない活動も行っている。作品ごとに見せ方を変えるタイプのアーティストだ。
2013年には、日本のロボット工学チームと組んだ「Z-Machines」プロジェクトに参加した。この企画では、人間の演奏家では難しいレベルの演奏を想定したロボット楽団のために楽曲を制作している。
電子音楽家としての技術だけでなく、演奏そのものの条件を拡張する方向にも関わっていた点が興味深い。Squarepusherの活動の中でも、かなり特異な取り組みとして記録されている。
Squarepusherを追うなら、まずはベースの動きに注目したい。打ち込みの精密さだけでなく、演奏者としての身体感覚が音に残っている。そこにジャズ由来のフレーズ感や、ドラムンベースの速度感が重なることで、かなり独特な音像になっている。
電子音楽の文脈で聴くこともできるし、ベース奏者の視点で追うこともできる。両方の入口から入れるアーティストだ。