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Steely Danは、1972年にニューヨークでウォルター・ベッカーとドナルド・フェイゲンによって結成されたアメリカのロック・バンドだ。ロックを軸にしながら、ジャズやR&Bの要素を取り込んだ作品で知られている。2001年にはロックの殿堂入りも果たしている。
バンド名の「Steely Dan」は、ウィリアム・S・バロウズの小説『裸のランチ』に登場する蒸気で動く張り形「Steely Dan III from Yokohama」に由来するとされている。ビート文学に親しんでいた2人らしい命名として知られている。
結成当初はライブ活動も行っていたが、1974年の『Pretzel Logic』を最後にツアーをやめ、その後はスタジオ制作を中心に活動する形へ移った。以降はベッカーとフェイゲンを中心に、多数のセッション・ミュージシャンを起用する制作スタイルを取っている。
この方針転換のあとに制作された『Katy Lied』(1975年)では、スタジオでの細かな調整がさらに前面に出ている。曲ごとに演奏者を入れ替えながら録音を重ねる方法もあり、演奏と録音の両方に強いこだわりを持つバンドとして語られてきた。
Steely Danの音楽は、ポップ・ロックの曲作りにジャズのコード感やリズム、R&Bの要素を組み合わせたものとして整理できる。特に、演奏の精度や録音の明瞭さを重視したプロダクションが目立つ。シングル向きの分かりやすさを保ちながら、内部では複雑な和声や演奏の細部が詰め込まれている。
作品ごとにセッション・ミュージシャンを使い分けることで、固定メンバーのバンド演奏というより、制作単位の強いスタジオ・プロジェクトとして機能していた点も特徴だ。初期メンバーにはウォルター・ベッカー、ドナルド・フェイゲン、デニー・ディアス、ジェフ・バクスター、ジム・ホダー、デヴィッド・パーマーが名を連ねている。
ツアーを行わず、スタジオワークに集中するやり方は当時としてはかなり珍しかった。その結果として、Steely Danは音の作り込みと完成度の高さで評価を集め、後のポップスやロック、フュージョン系の制作にも影響を与えている。
ロック、ジャズ、ポップスを横断する作り方と、録音に対する徹底した姿勢がセットで語られることが多い。演奏の派手さよりも、曲全体の設計や音の配置に目が向くバンドとして、今も参照される機会が多い。
Steely Danを聴くときは、メロディだけでなく、ベースやドラムの細かい動き、ギターのフレーズ、コーラスの重なりにも注目すると分かりやすい。曲の表面はポップでも、裏側ではかなり細かく組み立てられている。
ロックとジャズの境目を行き来しながら、スタジオで音を詰めていくタイプのバンドを探しているなら、Steely Danは外せない存在だ。