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Yellow Magic Orchestra(YMO)は、1978年に結成された日本のエレクトロポップ・バンド。主なメンバーは、細野晴臣(ベース)、高橋幸宏(ドラム)、坂本龍一(キーボード)の3人だ。最初は細野晴臣が考えた単発のスタジオ企画として始まり、そこにセッション・ミュージシャンとして高橋幸宏と坂本龍一が加わった。作品づくりを進めるうちに反響が大きくなり、スタジオ・プロジェクトから本格的な活動へ移っていった。
初期のYMOは、オリエンタリズム的な要素を持つ既存曲の解釈と、当時の電子楽器を組み合わせたサウンドを目指していた。マーティン・デニーの「Firecracker」のカバーも、その文脈で扱われている。1作目のアルバムは、当時としては新しい録音技術や音作りが注目され、人気作になった。
その後はツアーも行うバンドとして活動し、1984年には「散開」という表現で活動を止めている。解散という言い方を避けたのは、日本語のニュアンスを意識したものだ。3人はソロ活動へ戻りつつ、以後もそれぞれの形で関わりを続けた。1993年には再結成作『Technodon』も発表している。
2000年代には、細野晴臣と高橋幸宏のユニットSketch Showが動き、そこへ坂本龍一が参加する場面もあった。坂本が加わる形では「Human Audio Sponge」という呼び名も使われたが、日本国外では権利関係の整理までYMO名義が使われることもあった。
YMOの特徴は、シンセサイザー、サンプラー、デジタル録音、コンピュータ録音など、当時入ってきた新しい機材を積極的に使った点にある。曲の組み立ても、ベース、ドラム、キーボードの役割がはっきりしていて、電子音とバンド演奏の両方が前に出る作りが多い。
ジャンルとしてはElectronic、Popに加えて、プロフィール上はNon-Music、スタイルとしてSynth-popやComedyも挙げられている。実際、コミカルな要素や遊びのある題材もあり、単純に硬い電子音楽だけでまとめにくいグループだ。
オリコンの記録を見ると、シングルでは「Technopolis」「Rydeen」「Kimi Ni Mune Kyun」などが上位に入っている。アルバムでは『Solid State Survivor』が1位を記録し、100万枚を超える売上を出している。『Public Pressure』『BGM』『Technodelic』『Naughty Boys』『Service』なども上位に入っていて、活動期を通して安定した人気があったことがわかる。
YMOの影響で特に目立つのは、初期ヒップホップやエレクトロへの波及だ。デビュー作収録の「Computer Game: Theme From The Circus」は、アーケードゲーム「スペースインベーダー」「サーカス」「ガンファイト」の効果音を使った曲で、ゲーム音的なフレーズとファンクの組み合わせが後のエレクトロやヒップホップに影響したとされている。
この曲と「Firecracker」は、Afrika Bambaataaが1983年の『Death Mix』でサンプリングしている。BambaataaはYMOを、KraftwerkやGary Numanと並ぶ重要な参照元として挙げていた。彼の「Planet Rock」が作ったエレクトロの流れの背景にも、YMOの存在があったと説明されることが多い。
その後もYMOの楽曲は、2 Live Crewの「Mega-Mixx II」やDe La Soulの「Funky Towel」などでサンプリングされている。
YMOは機材面でも早い段階から注目されている。RolandのリズムマシンTR-808は、正式発売前の試作機がYMOに貸与されていたことで知られる。1980年のライブで「1000 Knives」に使われた記録があり、Roland自身もこれをTR-808の初期のライブ使用例として認めている。808サウンドが広く普及する前から、その音を実演の場で使っていたグループとして扱われている。
YMOは、日本のポップスと電子音楽の間を行き来しながら、制作、演奏、機材使用の面で早い時期から目立つ仕事を残したグループだ。作品数、チャート実績、サンプリング例、機材史のどれを見ても、活動の足跡がはっきり追える。