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Black Sabbathは、1968年にイギリス・バーミンガムで結成されたロック・バンドだ。一般には、ヘヴィメタルの始まりに位置づけられることが多い。結成メンバーはトニー・アイオミ、オジー・オズボーン、ギーザー・バトラー、ビル・ワードの4人で、そこから長い活動の歴史が始まった。
最初のバンド名は Polka Tulk Blues Band で、その後 Polka Tulk、Earth と変わり、最終的に Black Sabbath になった。名前は同名のイタリア製ホラー映画に由来する。初期のブルース色を残した活動から出発しながら、のちに重いギターリフと不穏な空気を前面に出す方向へ進んでいった。
オリジナル・ラインナップは1979年まで続いたが、その後オジー・オズボーンが脱退し、ロニー・ジェイムズ・ディオが加入した。以後はメンバー交代が続き、スタジオ作品ごとに同じ編成が続くことはほとんどなかった。そんな中でも、トニー・アイオミは長く中心人物としてバンドを支え、キーボードのジェフ・ニコルズも1979年以降に関わり続けた。
1997年にはオジー、アイオミ、バトラー、ワードのオリジナル編成が再結成され、ツアーとライブ盤の発表が行われた。2013年にはアルバム『13』をリリースし、オジー参加のスタジオ作としては34年ぶりの作品になった。その後もツアー活動は続き、2025年7月5日には英国バーミンガムでオリジナル・メンバーによる最後のライヴが行われた。なお、オジー・オズボーンは2025年7月22日に76歳で亡くなっている。
Black Sabbathの音楽は、ハード・ロックとヘヴィメタルの両方にまたがる。特徴としてまず挙げられるのは、トニー・アイオミのギターだ。彼は17歳のときに工場での事故で右手の指先を負傷し、弦のテンションを下げたりチューニングを落としたりする工夫を重ねた。これが、のちの重いダウンチューニング・サウンドにつながったとされている。アイオミは、右手の負担を減らすために自作の指サック状の義甲も使っていた。
もうひとつ重要なのが、リフ中心の作曲だ。たとえば「Paranoid」は、1970年の同名アルバム制作中に収録時間が少し足りなくなり、急遽作られた曲だった。アイオミがその場でリフを用意し、ギーザー・バトラーが歌詞を書き、オジーがそれを見ながら歌入れしたという流れで、短時間で完成したトラックが結果的に代表曲になった。
Black Sabbathは、非常に多くのメンバーが関わったバンドでもある。ボーカルだけ見ても、オジー・オズボーン、ロニー・ジェイムズ・ディオ、イアン・ギラン、グレン・ヒューズ、レイ・ギレン、トニー・マーティンなどが在籍した。ベースはギーザー・バトラーを軸に、ボブ・デイズリー、ニール・マーレイ、ジョー・バートらが参加。ドラムもビル・ワード、ヴィニー・アピス、コージー・パウエル、エリック・シンガー、マイク・ボーディンなど、時期によって入れ替わっている。
Black Sabbathは、ヘヴィメタルの原型を作ったバンドとして扱われることが多い。重いギターリフ、低く落としたチューニング、暗めのテーマを持つ曲作りは、その後のメタル系バンドに広く受け継がれた。特にトニー・アイオミの奏法と音作りは、後続のギタリストたちに大きな影響を与えたと見られている。
2006年にはオリジナル・メンバーがロックの殿堂入りを果たした。長い活動の中で編成は何度も変わったが、バンド名と音の核は保たれ続けた。ブラック・サバスの音をたどると、ハード・ロックからヘヴィメタルへの流れがかなり分かりやすく見えてくる。
まずは「Paranoid」「Iron Man」「War Pigs」あたりから入る人が多い。そこから『Black Sabbath』『Paranoid』『Master of Reality』『Vol. 4』『Sabbath Bloody Sabbath』を順に聴くと、初期から中期にかけての変化が追いやすい。オジー期だけでなく、ディオ期や『13』も含めて聴くと、バンドの幅も見えやすい。
Black Sabbathは、単に“古いメタル・バンド”というより、ロックの中で重さの作り方を変えていった存在として押さえておくと分かりやすい。ギターの刻み方、チューニング、曲の空気感まで、後の世代に残したものはかなり多い。