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Killing Jokeは、1979年にロンドンのノッティング・ヒルで結成されたイギリスのバンドだ。中心メンバーはJaz Coleman、Geordie Walker、Youth、Paul Fergusonで、初期のパンク以後の流れの中で、独自の音を作っていった。
ジャンルはRockとElectronicにまたがり、New Wave、Post-Punk、Synth-popの要素も持つ。プロフィールでも触れられている通り、当時のパンクよりも攻撃性を少し抑えたポストパンク勢とも違う、暗めで実験的なサウンドを早い段階で打ち出していた。
結成後は、シーンの中で少し異なる位置を取りながら作品を重ねていく。ポストパンクの枠に収まりきらない音作りで知られ、80年代以降のいくつかのジャンルに影響を残したとされる。
プロフィールでは、1990年の作品でインダストリアル・メタルの先駆けになったとも説明されている。Killing Jokeの音が、のちのヘヴィなロックやメタル、エレクトロ寄りのオルタナティブ・サウンドに参照されていった流れは、かなりはっきりしている。
Killing Jokeの特徴は、ギター中心のバンド編成に、機械的な反復やシンセの感触を組み合わせるところにある。ロックの骨格を保ちながら、打ち込み的な感覚や電子音を混ぜるやり方が、初期から目立っていた。
曲の構造も、単純に盛り上げるタイプではなく、同じフレーズを押し出し続ける作りが多い。リズムとリフを前面に出し、歌はその上で進む、という形がKilling Jokeらしい。
Killing Jokeの影響でよく話題になるのが、1991年のニルヴァーナ「Come As You Are」と、Killing Jokeが1984年に出した「Eighties」のギターリフの類似だ。これについては、しばしば指摘されてきた。
当時ニルヴァーナのマネージャーだったダニー・ゴールドバーグも、後年になって、カート・コバーン本人がその類似を気にしていたことを認めている。ジョーディー・ウォーカーはコバーンを強く批判したが、著作権侵害訴訟は費用や個人的事情から見送られた。
その後、2003年のセルフタイトル・アルバムでは、ニルヴァーナやフー・ファイターズで知られるデイヴ・グロールがドラムで参加している。しかも無償での参加だったことが知られていて、このエピソードはバンド同士の因縁を別の形でつないでいる。
メンバー欄を見ると、Killing Jokeは固定メンバーだけでなく、時期ごとに多くの人物が関わってきたことがわかる。Paul Raven、Martin Atkins、Greg Hunter、Jaz Coleman、Kris Kylven、Ted Parsons、Paul Ferguson、Geordie Walker、Dave Grohl、Reza Udhin、Geoff Dugmore、Ben Calvert、Martin Glover、Dave Ball、Kneill Brownらの名前が挙がっている。
長く活動を続けるバンドらしく、編成の変化を受けながらも、Jaz ColemanとGeordie Walkerを軸にしたサウンドの輪郭は保たれてきた。
フロントマンのJaz Colemanについては、1982年に核戦争への不安からアイスランドへ「亡命」したという話が広く知られている。ただ、後年本人が明かしたところでは、実際にはGeordie Walkerとレイキャビクでレコード会社を立ち上げ、ロンドンから密輸したハシシをカセットテープに紛れ込ませて売っていた、というのが真相だという。
このあたりのエピソードも含めて、Killing Jokeは音楽だけでなく、バンドの動きそのものがかなり特異だ。
まずは「Eighties」や、後年のセルフタイトル作あたりから入ると、Killing Jokeの輪郭がつかみやすい。初期のポストパンク的な硬さと、後年の重さや電子音の扱い方の両方を追うと、このバンドがどこに影響を与えたのかも見えやすい。
公式サイトはこちら。BandcampやSNS、Wikipedia、関連書籍のページもあるので、作品の流れを追うには困らない。
ギタリストのGeordie Walkerは、2023年11月26日にプラハで亡くなった。大きな脳卒中の2日後だったと伝えられている。Killing Jokeのギターの輪郭を作ってきた人物として、バンド史の中でも重要な名前だ。