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Sylvesterは、アメリカ出身のディスコ/ソウル・ヴォーカリスト、ミュージシャン、バンドリーダー、ソングライター、プロデューサーだ。1947年9月6日にカリフォルニア州ロサンゼルスのワッツ地区で生まれ、1988年12月16日にサンフランシスコで亡くなっている。単名の「Sylvester」で活動し、ディスコ初期からHi-NRGの先駆けの一人として扱われている。
ウェブ上の情報によると、Sylvester Jamesは公民権運動期の厳格なペンテコステ派の家庭で祖母に育てられた。音楽的な背景には、教会の女性たち、ブラック・ブルースの歌手、ドラァグクイーンの存在があったという。こうした環境が、後の歌唱スタイルやステージ表現に影響している。
1970年にはサンフランシスコへ移り、前衛的なドラァグ集団The Cockettesに参加した。ニクソン大統領の娘の結婚式をパロディにした短編映画『Tricia's Wedding』にも出演している。
Fantasy RecordsのHarvey Fuquaと契約後、Martha WashとIzora Rhodesによるバックコーラス・デュオ「Two Tons O' Fun」(後のThe Weather Girls)を迎えたことで、ゴスペル由来の厚みのあるコーラスを伴うサウンドを確立していく。
1978年のアルバム『Step II』からは、「You Make Me Feel (Mighty Real)」と「Dance (Disco Heat)」がシングルとしてヒットした。どちらも米欧で広く知られ、ファルセットを使った歌唱が強く印象に残る楽曲だ。
Sylvesterの歌い方は、裏声を前面に出したファルセットが大きな特徴だ。ディスコのビートに、ゴスペルに由来するコーラスとソウルの表現を重ねる形で、他のディスコ・シンガーとは違う輪郭を持っていた。
また、ジェンダーの境界を越えるパフォーマンスでも知られ、クィア・カルチャーの文脈で語られることが多い。Hi-NRGというジャンルの形成期に関わった存在としても扱われている。
Sylvesterは「ディスコの女王(Queen of Disco)」と呼ばれることがあり、さらに「男性ディーヴァ」の元祖としても位置づけられている。ディスコやソウルの枠に収まらず、後のクラブ・ミュージックやクィア表現にもつながる存在として見られている。
1980年代には、自身のHIV感染を公にしないままAIDS当事者としての啓発活動に関わっていた。亡くなる数か月前にはサンフランシスコ・プライド・パレードでHIV/AIDS当事者のセクションを率いて行進している。
1988年12月16日、HIV/AIDSの合併症によりサンフランシスコで死去した。自身の作品の将来の印税をサンフランシスコのHIV/AIDS支援団体に遺贈しており、音楽活動と社会活動の両面で記憶されている。
Sylvesterの作品は、ディスコの楽しさだけでなく、歌唱、編曲、パフォーマンス、そして当時の社会状況まで含めて聴くと、輪郭がはっきりしてくる。