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Triumviratは、1969年にドイツ・ケルンで結成されたプログレッシブ・ロック・バンドだ。中心人物はキーボード奏者のユルゲン・フリッツ、ベーシストのヴェルナー・“ディック”・フランゲンベルク、ドラマー兼作詞のハンス・バーテルトで、のちにメンバー交代を重ねながら活動を続けた。
ジャンルはロックに分類されるが、実際にはProg Rock、Art Rock、Symphonic Rockの要素が前面に出ている。特にフリッツのクラシカルな鍵盤を軸にした演奏が特徴で、70年代の全盛期には「ドイツのエマーソン・レイク・アンド・パーマー(ELP)」と呼ばれることもあった。
結成当初のTriumviratは、フリッツ、フランゲンベルク、バーテルトのトリオ編成だった。フランゲンベルクは1970年に脱退し、ハンス・パペが後任となる。その後、EMI Recordsと契約し、1972年にデビュー作「Mediterranean Tales (Across The Waters)」をHarvest/EMIから発表した。
2作目「Illusions On A Double Dimple」(1974)の制作中にパペが離脱し、ヘルムート・ケレンが加入する。この作品はEMI経由でCapitol Recordsにも渡り、アメリカで発売された。現地では一定のオンエアも得て、TriumviratはFleetwood Macの前座としてアメリカ・ツアーを行った。
1975年の「Spartacus」は、Triumviratの代表作として知られている。スパルタクスの奴隷反乱を題材にしたコンセプトアルバムで、ビルボードのアルバムチャートでは27位に初登場した。英語圏以外のプログレ作品がトップ40に入る例は当時としては珍しく、この時期にバンドの国際的な注目度が高まった。
この作品では、組曲的な構成や長尺の展開、鍵盤主体のアンサンブルが目立つ。ギターよりもキーボードが前に出る場面が多く、ロックのバンド編成の中でオルガンやシンセサイザーを押し出す作りが印象に残る。
「Spartacus」後のアメリカ・ツアー終了時、ケレンはソロ活動へ向かうため脱退した。ここでフランゲンベルクがベースで復帰し、バリー・パーマーが新しいリード・ヴォーカルとして加わる。この編成で録音されたのが「Old Loves Die Hard」(1976)だが、前作までと比べると商業的な反応は大きくなかった。サポート・ツアーも行われず、Triumviratはいったん解散する。
その後、フリッツはケレンと再び新作アルバム「Pompeii」(1977)の制作に入るが、ケレンは一部の楽曲が自分の歌唱レンジに合わないと感じ、パーマーの再加入が決まる。ところが1977年2月、ケレンは一酸化炭素中毒で27歳で死去した。ヘルムート・ケレンの死はバンドの活動にも大きな影響を与えた。
ケレンの死後、パーマーがヴォーカルを担当し、ベースに別メンバー、ドラムにカート・クレスが加わった編成で活動が続く。この時期、法的な問題から一時的に「New Triumvirat」と名乗ったこともある。
1978年になると、プログレッシブ・ロック自体の人気が下がっていく。Triumviratはフリッツを中心に、サポート・メンバーが入れ替わる形でポップ寄りのアルバムを2枚発表したが、大きな成功にはつながらなかった。1999年にはフリッツがカート・クレスを再び迎えて活動再開を試み、「Website Story」を録音したが、この作品は未発表のまま残っている。
Triumviratは、ドイツのプログレッシブ・ロックを語るときに外せないバンドのひとつだ。特に「Mediterranean Tales (Across The Waters)」「Illusions On A Double Dimple」「Spartacus」の流れは、バンドの音楽性と人気のピークを示している。70年代のプログレ黄金期に、英語圏以外のバンドとしてアメリカ市場でも一定の存在感を示した点は、彼らの活動歴の中でも重要な部分だ。
一方で、メンバー交代や時代の変化も多く、バンドの歩みはかなり複雑だ。だからこそ、Triumviratを追うと、70年代プログレの勢いと、その後の失速までをまとめて見ていくことになる。