Triumvirat - Spartacus (1975)
Triumvirat『Spartacus』(1975)レビュー
Triumviratの『Spartacus』は、1975年に発表されたコンセプト・アルバムで、ドイツのプログレッシブ・ロック・バンドが米国市場で大きく存在感を示した作品だ。古代ローマの剣闘士スパルタクスを題材に、組曲的な構成と長尺の演奏を軸に進む内容で、バンドの中心にあるキーボードを前面に押し出した作りになっている。Triumviratは、同時代のプログレ勢の中でもELPに近い文脈で語られることが多いが、そこにドイツらしい硬質さと、組曲を段取りよく進める整理された構成感が加わっている。
バンドの流れの中での位置づけ
Triumviratは1969年にケルンで結成された。Jürgen Fritzのキーボードを軸に、当初はトリオ編成で出発し、1972年の『Mediterranean Tales (Across The Waters)』、1974年の『Illusions On A Double Dimple』で徐々に評価を広げていく。そこから続く『Spartacus』は、バンドにとって商業的なピークにあたる作品として扱われることが多い。前作で米国のCapitol Recordsが反応し、ラジオでの露出が増えた流れを受けて、本作ではさらに広い市場を意識した展開が見える。
実際、米国盤はCapitol Recordsからリリースされ、当時のBillboardでも取り上げられた。記事では、ロックとクラシカルな編曲の結びつき、そしてキーボード主体の演奏が注目点として扱われている。チャート面でも一定の成功を収め、Triumviratの名前を広く押し上げた一枚になった。
録音と制作の背景
録音は1975年2月3日から3月4日にかけて、ケルンのEMI Electrola Studio 1で行われ、その後ロンドンのA.I.R. Studiosでミックスされた。制作の中心にあるのはJürgen Fritzの鍵盤で、曲の流れを引っ張る役割が非常に大きい。録音からミックスまで、ドイツとイギリスのスタジオをまたいで仕上げられている点も、この作品の国際的な性格を示している。
Triumviratの作品は、演奏の派手さだけでなく、セクションの切り替えやテーマの反復の置き方が比較的明快だ。『Spartacus』でもその特徴ははっきりしていて、長い曲の中に場面転換が多く、組曲を追う感覚で聴ける。実際に通して聴くと、テーマの提示と再現が整理されていて、複雑な構成でも流れを見失いにくい。
サウンドの特徴
このアルバムの中心はやはりキーボードだ。オルガン、ピアノ、シンセサイザーが次々に入れ替わり、ベースとドラムがそれを下支えする。ギター中心のハードロックとは違い、音の重心が常に鍵盤側にあるため、曲の輪郭がはっきりしている。リズム面は派手に崩しすぎず、組曲の進行を保つ方向に働いている。
聴きどころとしては、大仰なイントロから一気に展開する場面、静かなパートから再び厚いアンサンブルへ戻る場面、そしてメロディを鍵盤で押し出す場面が挙げやすい。ELP、Yes、Genesisといった同時代のプログレと比べると、Triumviratは技巧を見せる場面でも、曲の骨格を崩しすぎない。そこにドイツのバンドらしい直線的な推進力がある。
収録曲と代表性
『Spartacus』では、タイトル曲を含む長尺曲群が作品の核になる。ヒットシングルで広く知られるタイプのアルバムではなく、アルバム全体を通して聴かれる前提の作りだ。Triumviratにとっての代表作として挙げられることが多いのも、この作品が単独の楽曲より、アルバム全体の構成で印象を残すためだろう。
当時のプログレは、ラジオ向けの短い曲と、A面まるごと使うような長い組曲の両方が併存していたが、『Spartacus』は後者の流れにしっかり乗っている。大衆的なヒットに寄せるより、アルバムとしての完成度を優先した作りで、そこがTriumviratらしさになっている。
US盤としての見どころ
このUS盤はCapitol RecordsのST-11392で、1975年当時のアメリカ市場向けリリース。CapitolのステレオLPらしい時代感のある仕様で、当時の米国流通盤として押さえられている。Triumviratは本国ドイツだけでなく、アメリカでの展開が大きかったバンドなので、この盤はその広がりを示す存在でもある。
『Spartacus』は、Triumviratの中では最も成功した時期を示す一枚であり、同時に70年代プログレの中で、鍵盤主体の組曲作品がどのように米国で受け止められたかを伝える資料でもある。華やかさだけでなく、構成の積み重ねで聴かせるアルバム。Triumviratの音楽性を知るうえで、真ん中に置かれる作品だ。
トラックリスト
- A1 The Capital Of Power 2:40
- The School Of Instant Pain 6:22
- A3 The Walls Of Doom 4:01
- A4 The Deadly Dream Of Freedom 3:51
- A5 The Hazy Shades Of Dawn 3:09
- B1 The Burning Sword Of Capua 2:42
- B2 The Sweetest Sound Of Liberty 2:38
- The March To The Eternal City 8:51
- Spartacus 7:42
動画プレイリスト
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Triumvirat - The Capitol Of Power (HQ audio)
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Triumvirat - The School Of Instant Pain (HQ audio)
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Triumvirat - The Walls Of Doom (HQ audio)
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Triumvirat - The Deadly Dream Of Freedom (HQ audio)
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Triumvirat - The Hazy Shades Of Dawn (HQ audio)
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Triumvirat - The Burning Sword Of Capua (HQ audio)
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Triumvirat - The Sweetest Sound Of Liberty (HQ audio)
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Triumvirat - The March To The Eternal City (HQ audio)
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Triumvirat - Spartacus (HQ audio)