Triumvirat - Illusions On A Double Dimple (1974)
Triumvirat 1974

Triumvirat - Illusions On A Double Dimple (1974)

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Triumvirat『Illusions On A Double Dimple』について

Triumviratの『Illusions On A Double Dimple』は、1974年に発表されたドイツ産プログレッシブ・ロックの重要作のひとつだ。バンドは1969年にケルンで結成され、中心人物のJürgen Fritzを軸に、キーボードを前面へ押し出した編成で知られる。この作品は、前作『Mediterranean Tales (Across The Waters)』に続く2作目であり、Triumviratが国際的な注目を集めるきっかけになったタイトルでもある。

米国盤はHarvestレーベルからのリリースで、品番はST-11311。録音は1973年6月から10月にかけて、ケルンのEMI-Electrola Studiosで行われた。クレジット上はドイツ録音、米国流通という形で、当時の欧州プログレがアメリカ市場へ入っていく流れをよく示している。背面にはCapitolによる製造・流通表記があり、Harvestの米国盤としては、英本国系のプログレ作品が北米へ広がっていく時代感がそのまま残る一枚だ。

作品の構成と聴きどころ

このアルバムの核は、大きく組まれた長尺曲にある。表題曲「Illusions On A Double Dimple」と「Mister Ten Percent」という2本の組曲が中心で、曲ごとの展開を追うというより、場面転換を重ねながら全体を通して聴かせる作りになっている。キーボード主体のリフ、細かく変化するリズム、管弦楽的な厚みを持たせたアレンジが順番に出てきて、Triumviratらしい構築性がはっきりしている。

実際に聴くと、まず耳に残るのはJürgen Fritzの鍵盤だ。オルガン、ピアノ、シンセサイザーが前へ出て、ギターよりも鍵盤が曲の推進力を担っている。ここはしばしばEmerson, Lake & Palmerと比較される部分でもあるが、Triumviratはより整理された組み立て方をしている印象がある。派手な即興で押すというより、フレーズの反復と転調、パートごとの切り替えで組曲を進めるタイプだ。

また、この作品ではメンバー交代の影響も見える。録音中にベーシストが交代しており、A面とB面で担当が分かれる形になった。結果として、前半と後半で低音の輪郭に少し違いが出ているように聴こえる。そこに加えて、オーケストラやブラス、サックスが重なり、単なるロック・バンドの演奏以上の密度を作っている。音数は多いが、各パートの役割は比較的わかりやすい。

Triumviratにとっての位置づけ

Triumviratにとって『Illusions On A Double Dimple』は、バンドの輪郭を広く知らしめた転機の作品といえる。米国ではHarvest盤が出て、FMラジオでの反応も強かったとされる。さらにその後の米国ツアーではFleetwood Macの前座を務め、演奏機会を通じて知名度を広げていった。次作『Spartacus』がキャリアの中でも大きな成功作になるが、その土台を作ったのが本作という流れだ。

Triumviratの初期作品は、70年代前半のシンフォニック・ロック、アート・ロックの文脈で語られることが多い。イギリス勢の巨大な存在感が強かった時期に、ドイツからこうした鍵盤主導の長編組曲を提示した点に意味がある。クラシック由来の構成感、ロックの推進力、そしてスタジオでの音色設計が一体になった作りは、この時代のプログレらしさをよく表している。

米国盤について

今回のUS盤は1974年のオリジナル期に出たもので、後年の再発ではない。レーベルはHarvest、録音地はドイツ、発売はアメリカという組み合わせで、当時の輸入プログレが現地流通に乗っていく典型的な形だ。リリースノートによると、JacKsonvilleプレス系の個体もあり、両面のラッカー・カットはWally Traugottによるものとされている。こうした米国カッティングの情報は、当時のHarvest盤を追ううえで興味深い要素だ。

まとめ

『Illusions On A Double Dimple』は、Triumviratの代表作として語られることの多い一枚だ。長尺の組曲を軸に、鍵盤、ベース、ドラム、管弦楽的アレンジが順に積み上がっていく構成で、70年代プログレの要素がまとまっている。ELPと並べて語られることもあるが、Triumviratの場合は、より整った設計とメロディの運びが前に出る。バンドが国際的な足場を得る直前の段階を記録した作品としても、位置づけははっきりしている。

トラックリスト

  1. Illusions On A Double Dimple
  2. A1 Flashback 0:54
  3. A2 Schooldays 3:20
  4. A3 Triangle 6:55
  5. A4 Illusions 1:40
  6. A5 Dimplicity 5:28
  7. A6 Last Dance 4:42
  8. Mister Ten Percent
  9. B1 Maze 3:01
  10. B2 Dawning 1:01
  11. B3 Bad Deal 1:40
  12. B4 Roundabout 5:49
  13. B5 Lucky Girl 4:32
  14. B6 Million Dollars 5:19

動画プレイリスト

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