Triumvirat - Pompeii (1977)
Triumvirat『Pompeii』について
Triumviratの『Pompeii』は、1977年に発表された作品で、バンド後期の流れを知るうえで外せない一枚だ。Triumviratはドイツ・ケルンで結成されたプログレッシブ・ロック・バンドで、キーボードを軸にした構成と、組曲的な展開、クラシック由来のフレーズを取り込む作風で知られている。日本では同時代のYesやGenesis、ELPと並べて語られることも多いが、Triumviratはより硬質で、鍵盤の比重が大きい印象が強い。
この『Pompeii』は、そうしたバンドの持ち味がまだはっきり残っている時期の作品として聴ける。発売時点ではプログレ勢の勢いがすでに変化しつつあった頃だが、ここでは長尺の展開、曲のつなぎ方、演奏の密度に、当時のバンドらしい作り込みが見える。Triumviratのディスコグラフィーの中では、前作『Old Loves Die Hard』に続く後期の一作という位置づけで、初期の代表作と比べると編成の変化や制作体制の揺れも背景にある。
アルバムの基本情報
- アーティスト: Triumvirat
- タイトル: Pompeii
- オリジナルリリース年: 1977年
- リリース国: US
- レーベル: Capitol Records
- カタログ番号: SN-16120
- ジャンル: Rock
- スタイル: Art Rock, Prog Rock
今回のUS盤はCapitol Recordsからのリリースで、Triumviratがアメリカ市場で一定の認知を得ていた流れの延長線上にある。Triumviratはもともと欧州圏のバンドだが、アメリカでのリリースやツアーを通じて存在感を広げた経緯があるため、この時期のUS盤はバンドの活動史を追ううえでも重要だ。Capitol盤らしい時代感もあり、70年代後半のメジャー・ロックの棚に自然に収まる一枚という印象がある。
Triumviratというバンドの立ち位置
Triumviratは1969年結成。中心人物はキーボードのJürgen Fritzで、バンド名の通り3人組を起点にしながらも、実際にはメンバー交代を重ねつつ活動を続けた。初期の『Mediterranean Tales (Across The Waters)』『Illusions On A Double Dimple』『Spartacus』あたりで評価を固め、その後『Old Loves Die Hard』を経て『Pompeii』へ進む。特に『Spartacus』はアメリカでも一定の成功を収め、Triumviratの代表作として語られやすい。
『Pompeii』の時期は、バンドの編成面でも落ち着きが一枚岩ではない。だが、そのぶん鍵盤主導の設計がより前面に出ていて、アート・ロック寄りの構築感がはっきりしている。派手なヒット曲で押すタイプではなく、アルバム全体の流れで聴かせる作品だ。
聴きどころ
まず耳に入るのは、Jürgen Fritzのキーボードの扱いだ。メロディをなぞるだけでなく、曲の骨格そのものを組み立てるような役割を担っている。ギター中心のハードロックとは違い、リズム隊の上に鍵盤が何層も重なっていく感覚がある。音の厚みはあるが、むやみに重くはなく、フレーズの切り替えで場面を動かしていく作り。
また、1977年という年を考えると、プログレの主流が少しずつ変わっていく時期でもある。そうした中で『Pompeii』は、70年代前半の大仰さをそのまま引きずるのではなく、比較的整理された構成でまとめているように聴こえる。長く引っ張るより、要所ごとに展開を切り替えていく感触が強く、後期プログレらしい現実感もある。
注目曲としての『Pompeii』
タイトル曲の『Pompeii』は、このアルバムの核として扱われることが多い。曲名が示すように、古代都市ポンペイを思わせる歴史的なイメージを背負った題材で、Triumviratらしい大きな構えがある。実際の演奏では、キーボードのリフや転調の使い方が曲の推進力になっていて、単なる雰囲気先行では終わらない。展開が進むにつれて場面が切り替わり、組曲的な流れで聴かせるタイプの楽曲だ。
この曲では、バンドの得意とする「鍵盤で押し切る」感覚がよく出ている。派手なギターソロで引っ張るのではなく、和声の動きやリズムの切り替えで緊張感を作るあたりがTriumviratらしい。プログレを聴き慣れた耳だと、Yesの流麗さとも、ELPの攻撃性とも少し違う、より整然とした進行に気づきやすいはずだ。
アルバム全体の印象
『Pompeii』は、Triumviratの代表作群のような知名度では語られにくいかもしれないが、バンドの後期スタイルを確認するには分かりやすい作品だ。過剰に装飾するより、曲の構造と演奏の配置で聴かせる方向に寄っていて、70年代後半のプログレが抱えていた変化も映っている。華やかさだけでなく、少し乾いた手触りも残る。
同時代のプログレを聴いていると、Triumviratはしばしば「ドイツの鍵盤派」として見られるが、この作品でもその印象は変わらない。バンドの中心にあるのはあくまでJürgen Fritzの鍵盤で、その周囲をベースとドラムが支える形だ。派手な逸話よりも、演奏の組み立てで語れるアルバム。Triumviratというバンドの歩みを追うとき、1977年のこの一枚は後期の着地点として押さえておきたい存在だ。
トラックリスト
- A1 The Earthquake 62 A.D. 6:18
- A2 Journey Of A Fallen Angel 6:15
- A3 Viva Pompeii 4:16
- A4 The Time Of Your Life 4:35
- B1 The Rich Man And The Carpenter 5:57
- B2 Dance On The Vulcano 3:31
- B3 Vesuvius 79 A.D. 6:40
- B4 The Hymn 7:04
動画
- Triumvirat - Pompeii (Full Album Recorded from Vinyl)
- Triumvirat - The Hymn
- New Triumvirat, Pompeii, 01-The Earthquake 62 A. D.
- New Triumvirat, Pompeii, 02-Journey of a Fallen Angel
- New Triumvirat, Pompeii, 03-Viva Pompeii
- New Triumvirat, Pompeii, 04-The Time of Your Life
- New Triumvirat, Pompeii, 05-The Rich Man and the Carpenter
- New Triumvirat, Pompeii, 06-Dance on the Vulcano
- New Triumvirat, Pompeii, 07-Vesuvius 79 A. D.
- New Triumvirat, Pompeii, 08-The Hymn
- Triumvirat - The Earthquake
- Triumvirat - Journey of a Fallen Angel
- Triumvirat Pompeii.wmv
- Triumvirat - The Rich Man and The Carpenter
- Triumvirat - Time Of Your Life