Bring Me The Horizon - Sempiternal (2013)
Bring Me The Horizon 2013

Bring Me The Horizon - Sempiternal (2013)

Rock Metalcore

Bring Me The Horizon『Sempiternal』(2013)レビュー

Bring Me The Horizonの『Sempiternal』は、2013年にリリースされた4作目のアルバムだ。シェフィールド出身の彼らが、初期のデスコア寄りの作風から、よりメロディックで電子的な要素を含むメタルコアへと踏み出した転換点の作品として知られている。バンドの名前を広く押し上げた一枚であり、その後の活動の土台になった重要作でもある。

作品の位置づけ

本作の鍵を握るのがJordan Fishの存在だ。制作段階ではセッション的な関わり方だったが、曲作りの中心に入り込み、アルバム完成の頃には正式メンバーとして迎えられている。ギターのJona Weinhofenはリリース前に脱退しており、編成の面でも節目の時期に当たる。バンドの方向性が変わる局面と、人員の入れ替わりが重なった作品という印象が強い。

プロデュースはTerry Date。DeftonesやLimp Bizkitを手がけた人物として知られ、重さを残しながら輪郭をはっきりさせる作りが本作にも反映されている。2012年6月から9月にかけて、イギリス・ノーサンプトンシャーのAngelic Studioで録音された。

サウンドの変化

『Sempiternal』でまず目立つのは、リフの押し出しだけでなく、シンセやサンプルの配置が曲の骨格に食い込んでいる点だ。以前の作品に比べると、ただ激しいだけではなく、フックの残し方や展開の作り方がかなり整理されている。メタルコアを軸にしながら、電子音やダンス的なリズム感、ポップ寄りのメロディが自然に混ざっている。

実際に聴くと、音圧の強さよりも、曲ごとの起伏の付け方が印象に残る。静かな導入から一気に爆発する構成、クリーン歌唱とシャウトの切り替え、コーラスの抜けの良さ。荒さをそのまま前面に出すより、曲としての輪郭を整える方向に寄っている。ここが、同時代のメタルコア勢の中でも少し違うところだ。

歌詞とテーマ

歌詞面では、Oli Sykesのケタミン依存からの回復体験が色濃く反映されているとされる。本人が、回復の過程で神や信仰を求められる状況に置かれたことを語っており、アルバム全体の重さや切迫感の背景になっている。本作のタイトル『Sempiternal』は、ラテン語の sempiternus に由来する語で、「永遠」を意味する。

この作品は、単に音が変わっただけではなく、バンドの内面がそのまま形になったアルバムとして受け止められてきた。暗さがある一方で、そこに閉じこもるだけで終わらず、外へ押し出す力がある。その点が、後の作品群へつながる核になっている。

代表曲と反響

代表曲としては「Can You Feel My Heart」「Sleepwalking」「Shadow Moses」あたりがまず挙がる。特に「Shadow Moses」は、ライヴでも定番になった曲で、コーラスの抜けとリフの切れ味が分かりやすい。「Can You Feel My Heart」は、電子音の使い方とメロディの立て方が印象に残る一曲だ。

発売前には、2013年2月にフランスの販促用CD経由で音源が流出したが、バンドはそれを前向きに受け止めたというエピソードも残っている。批評面では高評価を集め、商業的にもUKアルバムチャート3位、US Billboard 200で11位を記録。オーストラリアでは1位も獲得している。Bring Me The Horizonにとって、地下シーンの人気バンドから、より広いロック/メタルの文脈で語られる存在へ進んだ一作だ。

この盤について

今回の盤は2013年のヨーロッパ盤で、ゲートフォールド仕様、12ページのブックレット付き、白いインナー・スリーブという案内になっている。初期プレスでは限定カラー盤も複数存在しており、通常のブラック盤に加えて、クリアやゴールド系などのバリエーションが確認されている。2019年以降も複数回リプレスされ、2023年には10周年記念のピクチャー・ディスクも登場している。

『Sempiternal』は、Bring Me The Horizonのキャリアの中で、単なる4作目ではなく、バンドの現在形を作った起点として見られるアルバムだ。初期の激しさを知っていると変化の大きさが分かるし、この作品から入ると、後年のポップ寄りな展開にもつながる筋道が見えやすい。そんな接続点として、今もよく参照される一枚である。

トラックリスト

  1. A1 Can You Feel My Heart
  2. A2 The House Of Wolves
  3. A3 Empire (Let Them Sing)
  4. A4 Sleepwalking
  5. A5 Go To Hell, For Heaven's Sake
  6. A6 Shadow Moses
  7. B1 And The Snakes Start To Sing
  8. B2 Seen It All Before
  9. B3 Antivist
  10. B4 Crooked Young
  11. B5 Hospital For Souls

動画プレイリスト

公開: 2026年8月
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