Rolling Stones - Beggars Banquet (1968)
The Rolling Stones 1968

Rolling Stones - Beggars Banquet (1968)

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Rolling Stones『Beggars Banquet』(1968)

Rolling Stonesの『Beggars Banquet』は、1968年の英国ロックを語るうえで外せない1枚だ。バンドの英国での7作目、米国では9作目のスタジオ・アルバムにあたり、同年に録音された作品としても、60年代後半の転換点をそのまま抱えた内容になっている。ブルース・ロック、ロックンロール、リズム・アンド・ブルースを土台にしながら、ストーンズらしい粗さと、曲ごとに異なる表情がはっきり出ているのが特徴だ。

このUKオリジナル盤は1968年リリースの初出仕様で、Deccaの無箱ロゴ・ラベル、ラミネート・ゲートフォールド・スリーブという当時の英国盤らしい造り。裏ジャケット外側の仕様や、ラベルのバリエーションも含めて、初期プレスを追う楽しみがある作品でもある。『Beggars Banquet』は、同時期のサイケデリックな流れから少し距離を取り、より土臭い演奏と曲作りへ寄ったアルバムとして見られることが多い。The BeatlesやThe Kinks、The Whoが同時代に別の方向を探っていた中で、Rolling Stonesはこの作品で、アメリカ南部の音楽や古いブルースへの接近をいっそう明確にした。

アルバム全体の位置づけ

この時期のRolling Stonesは、Brian Jones在籍期の終盤にあたる。メンバー構成の変化が進む中で作られたため、バンドの空気がそのまま音に出ている印象が強い。派手な実験性よりも、リフ、歌、リズムの噛み合わせを前面に出した作りで、後年のハード・ロックにもつながる輪郭が見える。

録音は1968年3月から7月にかけて行われ、発売は同年12月。UK盤では、最初期のカバーに「Patents Pending」の表記が入る仕様が知られているが、この盤は1968年当時のオリジナルUK盤として、その時代の空気をそのまま持っている。音の面でも、整いすぎないリズム隊と、Keith Richardsのギターの間合いがはっきり聴こえる。

注目曲「Sympathy for the Devil」

代表曲としてまず挙がるのが「Sympathy for the Devil」だろう。アルバム冒頭に置かれたこの曲は、ラテン的な打楽器の反復と、Mick Jaggerの語りかけるような歌い方が軸になっている。ロックの曲というより、儀式的な反復の上に歌が乗る構造で、1968年という年の緊張感をそのまま引き受けたような作りだ。

この曲は、Rolling Stonesの中でも特に有名な1曲として知られるが、アルバム全体の方向性を示す役割も大きい。ブルースの語法を土台にしつつ、単純なコピーでは終わらせない。リズムの重心が低く、演奏の隙間が多いぶん、言葉とパーカッションの存在感が際立つ。アルバムの入口として強い印象を残す。

注目曲「Street Fighting Man」

もう1曲の代表曲が「Street Fighting Man」だ。アコースティック・ギターを中心にしながら、かなり硬い推進力を持っていて、バンドの鳴りが大きくなくても緊張感が落ちない。録音年代の空気を反映した曲として語られることが多く、社会的なざわつきと個人の視点が近いところにある。

この曲の面白さは、派手な電気楽器の音圧に頼らず、リズムの組み立てだけで前へ進む点にある。Jaggerのボーカルは直接的で、歌詞の輪郭もはっきりしている。アルバムの中では比較的短くまとまっているが、作品全体の中でかなり強い位置を占める。後のストーンズが持つ、硬質で都市的な感覚の先取りのようにも聴こえる。

その他の楽曲と聴きどころ

「No Expectations」は、アルバムの中でも特に静かな重みを持つ曲だ。アコースティックな響きと、ゆっくり進む構成が印象的で、派手さはないが、全体の中で深さを与えている。「Jigsaw Puzzle」や「Stray Cat Blues」も、語り口と演奏の生々しさが前に出るタイプで、当時の英国ロックの中でもかなり泥臭い部類に入る。

『Beggars Banquet』は、曲単位で強いだけでなく、アルバムとしての並びがよく考えられている。冒頭から終盤まで、テンポや空気感の振れ幅がありながら、全体としては一つの温度を保っている。聴き進めると、サイケデリック期の華やかさよりも、演奏の芯や歌の重さが残る。Rolling Stonesが自分たちの足場を再確認した作品、と見られるのも自然だ。

UKオリジナル盤としての見どころ

この1968年UK盤は、Deccaのラベル表記やラミネート・ゲートフォールドの質感が重要なポイントになる。初期プレスではラベルの細部やマトリクスの違いが見られ、コレクション上の関心も高い。再発盤と比べると、当時の英国盤らしいジャケットの作りや、ラベルの見た目が大きな違いとして残る。

内容面では、後年のベスト盤で有名曲だけを拾うより、このアルバム単体で聴くほうが流れが見えやすい。Rolling Stonesが60年代後半にどこへ向かったか、その輪郭をはっきり示す記録として、今でも存在感がある1枚だ。

トラックリスト

  1. A1 Sympathy For The Devil
  2. A2 No Expectations
  3. A3 Dear Doctor
  4. A4 Parachute Woman
  5. A5 Jig-Saw Puzzle
  6. B1 Street Fighting Man
  7. B2 Prodigal Son
  8. B3 Stray Cat Blues
  9. B4 Factory Girl
  10. B5 Salt Of The Earth

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