Vinyl Record Reviews
Mike Oldfieldは1953年5月15日生まれ、イングランド・バークシャー州レディング出身のマルチインストゥルメンタリスト/作曲家だ。ロック、エレクトロニック、ポップを軸にしながら、プログレッシブ・ロック、アート・ロック、フォーク・ロック、実験音楽、クラシック、民族音楽、新世代音楽、さらに後年はダンス系の要素まで取り込んできた。
演奏や作曲の幅が広く、ひとつのジャンルに収まりにくいタイプのアーティストとして知られている。楽曲は構成が複雑で、パートごとの展開も細かい。
オールドフィールドの名前を広く知らしめた作品が、1973年に発表されたアルバム「Tubular Bells」だ。発売日は1973年5月25日で、当時19歳だったオールドフィールドが、ギター、グロッケンシュピール、ティンパニ、ティン・ホイッスルなど、約20種類の楽器をほぼ一人で演奏・録音したことで知られている。
この作品のデモを聴いたエンジニアのトム・ニューマンとサイモン・ヘイワースがサイモン・ドレイパーに紹介し、当時まだ立ち上げたばかりで資金も乏しかったリチャード・ブランソンが、オックスフォード近郊にある17世紀建築の邸宅を改装したスタジオ「ザ・マナー」での録音時間を提供したという経緯がある。
完成した「Tubular Bells」は、ヴァージン・レコードの記念すべき第1弾リリースとなった。発売当初の売れ行きは大きくなかったが、同年12月公開の映画『エクソシスト』の冒頭テーマ曲として使われたことで、一気に注目を集めた。作品中での使用は短いものだったが、この旋律は映画を象徴する要素として広く知られるようになった。
Mike Oldfieldの音楽は、長い展開を持つ構成と、楽器ごとのレイヤーを重ねた作りが目立つ。プログレッシブ・ロックの文脈で語られることが多いが、実際にはフォーク、民族音楽、クラシック、電子音楽などが混ざっている。
メロディだけで押し切るというより、パートを切り替えながら組み立てていく曲が多い。演奏面では多重録音を使った作品が多く、ひとりで多くの楽器を担う制作スタイルが特徴になっている。
その後の作品では、ポップ寄りのアプローチやダンス系の要素も見られる。ジャンルを固定しない作り方を続けてきた点が、キャリア全体を通した特徴になっている。
代表作としてまず挙がるのは「Tubular Bells」だが、シングルでは1983年の「Moonlight Shadow」も広く知られている。クリスマス曲のアレンジとしては「In Dulci Jubilo」の演奏でも知られている。
アルバム単位での評価が高い一方で、映画や季節曲を通じて耳にした人も多いアーティストだ。作品ごとに印象が変わりやすく、長尺の組曲的な曲から親しみやすいメロディまで幅がある。
家族については、Terry OldfieldとSally Oldfieldが兄弟として知られている。また、1985年から1991年まではAnita Hegerlandと関係があり、2人の子どもがいる。
Mike Oldfieldは、ひとりで多くの楽器を扱いながら、ロック、電子音、民族音楽、クラシックの要素を組み合わせてきた作曲家だ。特に「Tubular Bells」は、作品そのものの存在感に加えて、ヴァージン・レコード初のリリースとしても音楽史に残っている。