Vinyl Record Reviews
Parliamentは、ジョージ・クリントンを中心に活動してきたアメリカのファンク・グループだ。もともとは1950年代後半、ニュージャージー州プレインフィールドの理髪店から生まれたドゥーワップ・グループ、The Parliamentsとして始まった。のちにParliamentとして再出発し、Funkadelicと並ぶP-Funkの中核として活動を広げていく。
1967年には、ジョージ・クリントンの共作による「(I Wanna) Testify」がRevilot Recordsからヒットした。60年代末には、Billy Bass Nelson、エディ・ヘイゼル、Tawl Ross、Tiki Fulwood、Mickey Atkinsらによるツアー・バンドも組まれている。
その後、契約上の問題で「The Parliaments」の名前の権利を失ったクリントンは、バックの演奏陣をWestbound RecordsでFunkadelicとして契約させた。1970年には同じ10人のメンバーで、歌のグループとしてParliamentを立ち上げ直し、Invictus Recordsから『Osmium』を発表している。
1971年の「The Breakdown」はR&Bチャートで30位を記録したが、その後しばらくParliament名義は使われなくなる。この間に、1970年にはキーボードのBernie Worrell、1971年にGarry Shider、1972年にベースのBootsy Collinsが加わり、Parliament-Funkadelicの布陣が大きくなっていった。
ParliamentとFunkadelicは、同じミュージシャンを共有しながら別々の名義とレーベルで作品を出していく形をとっていた。
1974年、クリントンはParliamentを復活させ、Casablanca Recordsと契約する。Horny Hornsも加わり、『Up for the Down Stroke』を発表した。1975年には、ジェームス・ブラウンのバンドにいたMaceo ParkerやFred WesleyらがP-Funkに合流し、さらに編成が厚くなる。
同年の『Chocolate City』、続く『Mothership Connection』で、Parliamentは主流の成功を大きく広げた。とくに『Mothership Connection』は、P-Funkの物語性を前面に出した作品として知られている。ジョージ・クリントンは「黒人がいるとは誰も思わない場所がもうひとつある。それが宇宙だと思った」と語っている。
この時期のParliamentは、SFやアフロフューチャリズムを題材にしたコンセプトで作品を組み立てていく。異星から来たファンクの救世主「スターチャイルド」などのキャラクターが登場し、アルバムごとに物語が続いていく形になっている。
1976年の『The Clones of Dr. Funkenstein』に収録された「Give Up the Funk (Tear the Roof off the Sucker)」はミリオン・セラーとなり、トップ10ヒットになった。1977年の『Funkentelechy vs. the Placebo Syndrome』収録の「Flash Light」と、1978年の『Motor Booty Affair』収録の「Aqua Boogie」もR&Bチャート1位を記録している。
この時期の音の特徴としては、Bernie WorrellのMoogシンセサイザーが前面に出てくる点が大きい。「Flash Light」と「Aqua Boogie」では、Moogシンセサイザーが従来のエレキ・ベースに取って代わった。
1976年のP-Funk Earth Tourでは、スターチャイルドの乗り物として「マザーシップ」の巨大な小道具がステージに登場した。マザーシップは1976年から1981年までコンサートの最後に使われていたが、バンドが借金を抱えたため、オリジナルは1980年代に処分されている。
クリントンの運営をめぐる対立から、1977年にはFuzzy Haskins、Calvin Simon、Grady Thomasが離れ、1978年にはGlenn GoinsとJerome Braileyも脱退した。『Gloryhallastoopid』(1979年)はそれまでほどの成功を収められず、『Trombipulation』(1980年)のあと、ジョージ・クリントンは法的問題やCasablancaの体制変更を理由に、1980年代初めにParliamentとFunkadelicを録音・ツアー単位としては解散させた。
1990年代以降は、P-Funk All-Starsがツアーや録音を続け、Parliamentの楽曲も演奏してきた。1990年代にはP-Funkのサウンドが、西海岸ヒップホップのGファンクの主要なインスピレーション源になった。
1997年5月には、ジョージ・クリントンを含む16人がロックの殿堂入りを果たした。これは当時として史上最大人数での殿堂入りだった。クリントンは1990年代半ばに作られたマザーシップのレプリカ(約540キロ)を、スミソニアンの国立アフリカン・アメリカン歴史文化博物館に寄贈しており、今は同館の常設展示に収められている。
2018年1月には、Scarfaceを迎えた「I'm Gon Make U Sick O'Me」で、38年ぶりにParliament名義の新曲が出た。同年5月22日には、ジョージ・クリントンと息子Tracey Lewisが中心に書いた23曲入りの『Medicaid Fraud Dogg』を発表し、Fred WesleyやPee Wee Ellisも参加している。
2019年5月11日には、ジョージ・クリントンとParliament-Funkadelicにグラミー賞の特別功労賞が授与された。