Parliament - The Clones Of Dr. Funkenstein (1976)
Parliament 1976

Parliament - The Clones Of Dr. Funkenstein (1976)

Funk / Soul P.Funk

Parliament『The Clones Of Dr. Funkenstein』レビュー

Parliamentの『The Clones Of Dr. Funkenstein』は、1976年にCasablancaから発表されたアルバムで、P-Funkの世界観がもっとも分かりやすく前面に出た作品のひとつだ。George Clintonを中心にしたこの時期のParliamentは、単なるファンク・バンドではなく、キャラクター設定、物語、ステージ演出、録音がひとつにつながった集団として動いていた。その中で本作は、タイトルの通り“Dr. Funkenstein”を軸にしたクローン計画のイメージを、音と言葉で組み立てた一枚になっている。

1976年のP-Funk帝国を映す作品

1976年のParliamentは、FunkadelicやBootsy’s Rubber Bandなど周辺ユニットも含めて、P-Funkの活動が非常に広がっていた時期にある。本作もその流れの中にあり、Parliament単体のアルバムでありながら、P-Funk全体の神話を押し広げる役割を担っている。
音だけを追っても、分厚いホーン、コール&レスポンス、重心の低いベース、合唱の積み重ねがはっきりしていて、George Clintonの作品群の中でも構成の密度が高い。コミカルな設定に見えるが、実際にはリズムの組み方や声の配置がかなり細かい。

代表曲とアルバムの流れ

収録曲の中では「Do That Stuff」「Dr. Funkenstein」「Do That Stuff」などがよく知られている。とくに「Dr. Funkenstein」は本作の中心に置かれた曲で、アルバム全体のキャラクター像をそのまま音にしたような位置づけだ。
一方で、派手なフックだけで押し切る作品ではなく、曲ごとにビートの置き方やコーラスの重ね方を変えながら、長めの展開でも緊張感を保っている。聴き進めると、奇抜な設定の裏でかなり機能的なアンサンブルが鳴っていることが分かる。

当時の評価とチャート実績

本作は発売当時からParliamentの勢いを示す作品として受け止められた。BillboardのR&B Albumsで最高3位、ポップ・アルバムでも20位まで到達しており、Parliamentとして2作目のゴールド認定作になっている。
P-Funkの作品は、同時代のファンクやソウルと比べてもかなり物語性が強いが、本作ではその方向性が分かりやすく整理されている。James Brown由来のファンクの硬さ、Sly and the Family Stone的な集団性、Slyのような混沌よりも、もっとSF映画的な演出に寄った印象がある。

ジャケットと付属物も含めた作品性

Casablanca盤らしく、レーベルの時代感もはっきりしている。リリース情報には「Manufactured and Distributed by Casablanca Records, Inc.」とあり、1976年当時のCasablancaの流通体制をそのまま反映している。
また、コピーによってはCasablancaの特別注文用シートと封筒が付属していたとされ、ParliamentやDonna Summerのグッズを申し込むとボーナスLPがもらえる案内が入っていた。こうした付属物も、当時のCasablancaが音楽だけでなく、ブランド全体を売っていたことを示している。

後のP-Funk文脈での位置づけ

『The Clones Of Dr. Funkenstein』は、後のP-Funk作品を理解するうえで重要な一枚だ。ここでは、George Clintonが作っていた“ファンクの宇宙”が、かなり明確な形で提示されている。のちのヒップホップでは、この時代のParliament/P-Funkの音源が頻繁にサンプリングされることになるが、その源流として見ても本作の存在感は大きい。
Parliamentの中でも、このアルバムは特に“世界観のアルバム”として機能していて、演奏の実力と設定の大きさが同じ比重で置かれている。ファンクのリズムを土台にしながら、物語を前に出した1970年代中盤の代表作として、今も位置づけやすい作品だ。

まとめ

『The Clones Of Dr. Funkenstein』は、1976年のParliamentが持っていた勢い、P-Funkの神話性、Casablanca時代のパッケージ感がまとまったアルバムである。派手な仕掛けの印象が強いが、実際には演奏、コーラス、編曲の精度が高く、聴き込むほど構造が見えてくる作品だ。Parliamentの代表作のひとつとして扱われるのも自然な流れだろう。

トラックリスト

  1. A1 Prelude 1:40
  2. A2 Gamin' On Ya 3:02
  3. A3 Dr. Funkenstein 5:46
  4. A4 Children Of Production 3:57
  5. A5 Getten' To Know You 5:20
  6. B1 Do That Stuff 4:47
  7. B2 Everything Is On The One 3:47
  8. B3 I've Been Watching You (Move Your Sexy Body) 6:01
  9. B4 Funkin' For Fun 5:56

動画

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