Parliament - Chocolate City (1975)
Parliament 1975

Parliament - Chocolate City (1975)

Funk / Soul P.Funk

Parliament『Chocolate City』(1975)

Parliamentの『Chocolate City』は、1975年にCasablancaから出た3作目のアルバムだ。George Clintonを中心に動くP-Funkの流れの中でも、ファンクのグルーヴと都市への視線がはっきり結びついた作品として印象に残る。タイトルの「Chocolate City」は当時のワシントンD.C.を指す呼び名で、黒人人口の多さと都市の政治的な変化を背景にした言葉だ。アルバム全体も、その都市を祝福するような構成になっている。

ワシントンD.C.への視線を前面に出した作品

このアルバムの軸にあるのは、表題曲「Chocolate City」だ。ワシントンD.C.で黒人コミュニティが存在感を強めていく状況を、ユーモアと誇りをまじえながら描いている。歌詞では、ムハマド・アリが大統領、ジェームス・ブラウンが副大統領、レヴェレンド・アイクが財務長官、リチャード・プライヤーが教育大臣、スティーヴィー・ワンダーが芸術長官、アレサ・フランクリンがファーストレディという架空の政権が登場する。かなり大胆な設定だが、単なる冗談ではなく、当時の黒人社会の連帯感や自負をそのままファンクの言葉に置き換えた内容になっている。

ジャケットにもその意図が見える。アメリカ合衆国議会議事堂、ワシントン記念塔、リンカーン記念堂がチョコレートのメダリオンのようにデザインされていて、都市イメージを強く押し出している。地元D.C.で特に受け入れられたという話も、この作品の性格をよく表している。

Parliamentの中での位置づけ

ParliamentはもともとThe Parliamentsとして活動を始め、1969年に現名義へ移行したグループで、George Clintonを中心にFunkadelicと並ぶP-Funkの中核を担ってきた。本作は、その流れの中でバンドの輪郭がより明確になる時期の1枚だ。前後の作品と比べると、宇宙的なイメージや大仰なキャラクター性だけでなく、都市と政治に結びついたテーマが前に出ている。P-Funkの世界観が、抽象的な祝祭だけでなく、現実の都市文化とも接続していたことがわかる。

Casablancaからの1975年オリジナル盤で、クレジットは「Produced for R.S.A. Productions」「Manufactured and distributed by Casablanca Records, Inc.」「℗ 1975 Casablanca Records, Inc.」「Made & Printed in U.S.A.」。同作には青ラベル盤も存在するが、このUS盤はオリジナル期のCasablanca仕様として整理される。Casablancaは当時、KissやDonna Summerで知られる一方、ParliamentのようなP-Funk勢も抱えていたレーベルで、ロックとディスコのあいだを横断する70年代の空気がそのまま反映されている。

サウンドの印象

実際に聴くと、Parliamentらしい分厚いベース、細かく絡むギター、ホーン、コーラスがきっちり積み重なっていて、リズムの推進力が途切れない。ビートは重いのに、音数は多く、しかも各パートがぶつからずに動く。George Clintonの作品群に共通する、混沌と統制の両立がここでもはっきりしている。歌ものとしてのわかりやすさと、演奏の細部を追う楽しさが同居している盤だ。

タイトル曲はもちろん、アルバム全体にも都市のざわつきや祝祭感がある。ファンクを踊るための音楽としてだけでなく、1970年代半ばの黒人文化の自己表現として聴かれてきた背景が、そのまま音の厚みにつながっているように感じる。

同時代の文脈

1975年のファンクは、James Brownのグルーヴを土台にしながら、Sly & the Family Stoneの集団性、Sly以降の重層的なアンサンブル、そしてディスコへ向かう都市的な感覚が交差していた時期だ。Parliamentはその中で、より大きな物語性とキャラクター性を持ち込んだ側にいる。後のヒップホップやサンプリング文化で何度も参照されるP-Funkの原型が、この時期の作品群で固まっていく。その意味で『Chocolate City』は、Parliamentの代表的な流れを支える重要な1枚として見ておきたいアルバムだ。

派手なコンセプトの裏で、演奏はかなり実直だ。ファンクの基本である反復と間合いを押さえながら、都市の現実をテーマに据えた構成。Parliamentの70年代を語るうえで、外せない作品になっている。

トラックリスト

  1. A1 Chocolate City 5:35
  2. A2 Ride On 3:39
  3. A3 Together 3:59
  4. A4 Side Effects 3:10
  5. A5 What Comes Funky 2:22
  6. B1 Let Me Be 5:39
  7. B2 If It Don't Fit (Don't Force It) 2:07
  8. B3 I Misjudged You 5:13
  9. B4 Big Footin' 4:40

動画プレイリスト

公開: 2026年9月
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