Parliament - Mothership Connection (1975)
Parliament 1975

Parliament - Mothership Connection (1975)

Funk / Soul Funk P.Funk

Parliament『Mothership Connection』(1975年)

Parliamentの『Mothership Connection』は、1975年にUSのCasablancaから出た作品で、P-Funkの方向性を決定づけた重要作として知られている。George Clintonを中心に、Bootsy Collins、Bernie Worrell、Maceo Parker、Fred Wesleyらが加わった編成で、ファンクのリズムを土台にしながら、宇宙船、放送、通信、解放といったイメージを一つの世界観としてまとめ上げたアルバムである。Parliamentというバンドの名前を聞いてまず想起される要素が、この作品でかなり明確になった印象がある。

作品の位置づけ

ParliamentはもともとThe Parliamentsとして始まり、George Clintonの構想のもとで発展してきたグループだが、この時期には単なるファンク・バンドというより、P-Funkという大きな運動体の中核に近い存在になっている。Funkadelicがより長尺でサイケデリックな側面を持つのに対し、Parliamentはリズムの切れ味やコーラスの整理された構成、ホーン・アレンジの明快さが前に出る。この作品ではその違いがはっきりしていて、曲の運びが比較的わかりやすい一方で、音像の作り込みはかなり細かい。

Library of Congressの解説でも触れられているように、George ClintonはBootsy CollinsやBernie Worrellを核に据え、ファンクをよりラジオ向きの形式へ押し広げていった。ここでの完成度は高く、後のParliament作品やP-Funk周辺の作品群の基準点として見られるのも自然だろう。

収録曲と代表曲

本作を語るうえで外せないのが「Give Up the Funk (Tear the Roof Off the Sucker)」と「P. Funk (Wants To Get Funked Up)」である。「Give Up the Funk」は、反復するベースとコール&レスポンスの構造が非常にわかりやすく、当時のR&Bチャートだけでなく一般のラジオにも届いた代表曲として知られる。「P. Funk」は、Parliamentの宇宙船的な世界観をそのまま音にしたような曲で、導入部から終盤までバンド全体の役割分担が明確だ。どちらも単なるヒット曲ではなく、この時期のParliamentが何を目指していたかを端的に示す曲になっている。

実際に耳を通すと、ビートの重さだけで押すのではなく、ホーン、コーラス、キーボードの隙間が細かく設計されているのがわかる。低音は分厚いが、音数が多すぎて濁る感じではなく、各パートが前後に動くような立体感がある。ファンクとしての即効性と、アルバム全体のコンセプト性が同時に進んでいるところが、この作品らしさになっている。

制作背景とエピソード

ジャケットや世界観も本作の重要な要素で、宇宙船モチーフは後のP-Funkの象徴になった。ジャケットに使われた宇宙船は『The Day the Earth Stood Still』の小道具を流用したものとされ、そのイメージがのちの“mothership”構想へつながっていく。音楽だけでなく、ステージ演出や視覚表現まで含めて一つの作品世界を作っていく流れが、この時点でかなり強い。

制作面では、元JB'sのMaceo ParkerとFred Wesleyの参加も大きい。ホーン隊の推進力が加わることで、Parliamentのファンクはより輪郭のはっきりしたものになっている。Bootsy CollinsのベースとBernie Worrellの鍵盤は、その上で土台と装飾の両方を担っており、後年のファンク作品と比べても存在感が強い。

当時の反応と影響

当時の反応も強く、アルバムはBillboard 200で13位を記録し、Parliamentにとって初のゴールド盤となった。その後はプラチナ認定にも至っている。「Give Up the Funk」の広がりが大きいが、アルバム全体としてもP-Funkの代表作として定着した。70年代後半のディスコやソウルの流れと並走しながらも、Parliamentはより黒く、より実験的で、しかもポップに届く形を作っていた点が特徴的である。

後年の影響も大きい。Dr. Dreをはじめとするヒップホップ/G-funk系のサンプリング文脈で本作の要素は何度も参照されてきた。ベースライン、ブレイク、コーラスの処理、そして宇宙的な語り口まで含めて、以後のブラック・ミュージックに残したものはかなり大きい。Parliamentの中でも『Mothership Connection』は、単なる人気作ではなく、P-Funkの言語がはっきり形になった一枚として位置づけられる。

1975年US初期盤について

このUS初期盤はCasablanca(NBLP 7022)からのリリースで、ブルー背景のレーベルが使われている。LPは会社名入りの紙スリーブに収められていたとされ、当時のCasablancaらしい仕様になっている。レーベル周辺のクレジットや表記も、1975年当時のオリジナル期を示す要素として見て取れる。作品そのものの完成度に加えて、初期Casablancaの空気感をそのまま持つ盤としても興味深い一枚である。

『Mothership Connection』は、Parliamentのディスコグラフィーの中でも、世界観、演奏、曲作り、ヒット性がきれいに揃った作品だといえる。P-Funkの入口であり、同時に到達点の一つでもある、そんな位置にあるアルバムである。

トラックリスト

  1. A1 P. Funk (Wants To Get Funked Up) 7:42
  2. A2 Mothership Connection (Star Child) 6:14
  3. A3 Unfunky UFO 4:24
  4. B1 Supergroovalisticprosifunkstication 5:01
  5. B2 Handcuffs 4:01
  6. B3 Give Up The Funk (Tear The Roof Off The Sucker) 5:45
  7. B4 Night Of The Thumpasorus Peoples 5:12

動画

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