Radiohead

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Radiohead(レディオヘッド)とは

レディオヘッド(Radiohead)は、1985年にイングランド・オックスフォードシャー州アビンドンで結成されたオルタナティヴ・ロック/エレクトロニック・バンドである。ロックのフォーマットを自ら解体・更新し続ける妥協なき実験精神と、現代社会の疎外感や不安を射抜く先鋭的な表現により、1990年代以降のポピュラー音楽の最高峰として世界的に君臨している。

トム・ヨーク(ヴォーカル、ギター、ピアノ)、ジョニー・グリーンウッド(リードギター、キーボード、オンド・マルトノ、管弦楽編曲)、エド・オブライエン(ギター、エフェクト、コーラス)、コリン・グリーンウッド(ベース)、フィル・セルウェイ(ドラムス)の5人により結成以来不動のラインナップを維持している。また、「6人目のメンバー」と称される音楽プロデューサーのナイジェル・ゴッドリッチ、視覚芸術を担うスタンリー・ドンウッドとともに総合的な芸術世界を構築してきた。全世界で3,000万枚以上のアルバム・セールスを記録し、グラミー賞を複数回受賞、2019年にはロックの殿堂入りを果たした。

結成から初期の成功:『Pablo Honey』と『The Bends』

名門アビンドン・スクールの同級生たちによって結成され、当初は金曜日にリハーサルを行っていたことから「On a Friday」と名乗っていた。1991年にEMI傘下のパーロフォンと契約した際、敬愛するトーキング・ヘッズの楽曲「Radio Head」にちなんでバンド名を改名した。

1992年に発表されたシングル「Creep」が、グランジの隆盛と共鳴して世界的な大ヒットを記録し、1993年のデビュー・アルバム『Pablo Honey』で一躍脚光を浴びた。しかし当初は「一発屋」と見なされるプレッシャーにも直面した。

彼らはその評価を覆すべく、プロデューサーのジョン・レッキーとエンジニアのナイジェル・ゴッドリッチを迎え、セカンド・アルバム『The Bends』(1995年)を完成させた。「Fake Plastic Trees」や「High & Dry」「Street Spirit (Fade Out)」に見られる3本のギターが織りなす重層的なアンサンブルと、トム・ヨークの切痛なファルセット・ヴォイスは高い批評的絶賛を浴び、英国屈指の実力派ギター・ロック・バンドとしての地位を確立した。

ロック史の分水嶺:『OK Computer』と世紀末の孤独

1997年、ナイジェル・ゴッドリッチを全面的なプロデューサーに迎えて発表されたサード・アルバム『OK Computer』は、1990年代のロック史における決定的な金字塔となった。

急速に進む情報化社会、消費社会への絶望、テクノロジーが生み出す精神の断絶といったテーマを扱い、「Paranoid Android」「Karma Police」「No Surprises」など複雑な楽曲構成と不穏な音響テクスチャーを展開した。アコースティック楽器と電子音響が奇跡的な調和を遂げたこの作品は、世界各国の音楽誌で「歴代最高のロック・アルバム」の一つとして讃えられ、世界的メガヒットを記録した。

エレクトロニクスへの大胆な転回:『Kid A』と『Amnesiac』

『OK Computer』の未曾有の成功とプレッシャーにより、バンドはギター・ロックの定型に激しい疲弊と限界を感じていた。トム・ヨークは従来のロックのソングライティング構造を一度完全に放棄し、ワープ・レコーズのIDM(エイフェックス・ツイン、オウテカ)、クラウトロック(Can)、フリー・ジャズ(チャールズ・ミンガス、アリス・コルトレーン)、20世紀現代音楽(ペンデレツキ、メシアン)の語法を徹底的に吸収した。

モジュラー・シンセサイザー、ドラムマシン、オンド・マルトノを駆使し、ギターを極限まで後退させた2000年のアルバム『Kid A』は、発売当初こそ賛否両論を呼んだものの、シングル・カットを行わないプロモーション戦略にもかかわらず全米ビルボード・チャートで初登場1位を獲得した。グラミー賞最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム賞を受賞し、後に多くのメディアで「2000年代を代表するアルバム」の首位に選出された。翌2001年には同セッションから生まれた双子作『Amnesiac』を発表し、21世紀のエレクトロニック・ロックの地平を完全に切り拓いた。

独立体制と流通革命:『In Rainbows』の到達点

2003年にロックのダイナミズムと電子音を折衷させた『Hail to the Thief』を発表した後、バンドは長年所属したEMIとの契約を満了した。完全なインディペンデント体制となった彼らは、2007年にスタジオ第7作『In Rainbows』を突如公式サイト上で発表した。

購入者が自ら価格を決める「投げ銭(Pay What You Want)方式」でのデジタル配信は、音楽業界の旧態依然とした流通システムに革命的な一石を投じた。サウンド面でも「Nude」「Weird Fishes / Arpeggi」「Reckoner」をはじめ、芳醇なオーガニック・アンサンブルと緻密なプログラミングが完璧な美しさに結実した傑作として絶大な評価を獲得した。

その後も、ポリリズムとループ・サンプリングを基軸とした『The King of Limbs』(2011年)や、ジョニー・グリーンウッドによるロンドン・コンテンポラリー・オーケストラの弦楽アレンジが圧巻の美を放つ『A Moon Shaped Pool』(2016年)など、常に既存の枠組みを刷新する作品を提示し続けている。

ソロ活動と後世への巨大な影響

メンバー各自の課外活動も極めて多作かつ高水準である。トム・ヨークのアトムス・フォー・ピースやソロ活動、ジョニー・グリーンウッドが手掛ける映画音楽(『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』『ファントム・スレッド』でアカデミー賞ノミネート)、そしてヨークとグリーンウッドがドラマーのトム・スキナーと結成した新バンド「ザ・スマイル(The Smile)」での活動など、現在もその創造力は留まることを知らない。

コールドプレイやミューズといった後続のスタジアム・ロック勢から、現代のエレクトロニカ、ジャズ、ヒップホップのプロデューサーに至るまで、レディオヘッドが切り拓いた前衛性とポップ・ミュージックの融合は、現代音楽のあらゆる領域において不滅の指標として輝き続けている。

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