Radiohead

Vinyl Record Reviews

Radiohead

Radioheadとは

Radioheadは、イングランド・オックスフォードシャー出身のロック/エレクトロニック・バンドだ。1985年に学校の友人同士で結成され、当初は「On a Friday」という名前で活動していた。その後、1990年に「Shindig」を経て、Talking Headsの曲「Radio Head」から取った現在のバンド名に落ち着いた。

メンバーは、Thom Yorke、Jonny Greenwood、Phil Selway、Colin Greenwood、Ed O'Brienの5人が中心だ。ライブではClive Deamerが加わることもある。

初期の成功と「Creep」

Radioheadが最初のシングルを出したのは1992年で、デビューアルバム「Pablo Honey」は1993年に発表された。このアルバムに収録された「Creep」が世界的なヒットになり、バンドの名前が一気に広まった。グランジがラジオを席巻していた時期と重なり、この曲でRadioheadを知った人も多いはずだ。

ただ、当初は海外で一発屋のように見られた時期もあった。一方で、イギリスでは次のアルバム「The Bends」(1995年)で評価を伸ばした。「High & Dry」「Fake Plastic Trees」などの曲が知られていて、厚みのあるギターの重なりとThom Yorkeの歌声が前面に出た作品として受け止められている。

「OK Computer」で広がった評価

1997年の「OK Computer」は、Radioheadの代表作としてよく挙げられるアルバムだ。広がりのある音作りと、現代社会での疎外感や機械化された感覚を扱う内容で注目を集めた。90年代を代表する作品として扱われることが多く、かなり高い評価を受けている。

ここでのRadioheadは、単にギター・ロックを鳴らすバンドではなく、曲の構成や音の配置を細かく組み立てるグループとして見られるようになった。

「Kid A」以降の変化

2000年の「Kid A」では、さらに方向を変えている。実験的なエレクトロニック・ミュージックの要素が強まり、ギター中心のロックとは違う作りになった。この変化で、Radioheadはジャンルの枠に収まりにくいバンドとして扱われるようになった。

続く「Hail To The Thief」(2003年)では、ギターとピアノを軸にしたロックへ戻ったように受け取られた時期もある。その後、EMIとの契約を終えたあとに出した「In Rainbows」(2007年)は、購入者が支払額を決める“pay-what-you-want”方式で配信され、大きな話題になった。

最新作としては「A Moon Shaped Pool」が2016年5月に発表されている。

音楽的な特徴

Radioheadの音楽は、オルタナティブ・ロックを土台にしながら、エレクトロニック、実験音楽、ピアノ主体の曲、ギターの重なりなどを組み合わせている。Thom Yorkeの歌は、感情を強く押し出す場面もあれば、抑えた歌い方で進む曲もある。

Jonny Greenwoodはギターだけでなく、キーボード、オンド・マルトノ、グロッケンシュピール、オーケストラ編曲まで担当していて、バンドの音作りにかなり深く関わっている。こうした編成の広さが、Radioheadの楽曲を単純なギターバンドの枠から外している。

影響源として挙げられるバンド

初期の影響としては、The Smiths、Pixies、Magazine、Joy Division、Siouxsie & The Banshees、R.E.M.などが挙げられている。Thom YorkeはR.E.M.の大きな影響をたびたび語っていて、パフォーマーとしての自分に影響を与えたバンドとしても名前を出している。

2019年のミニディスク流出とBandcamp公開

2019年6月には、Thom Yorkeが「OK Computer」制作期に録音していたミニディスクのアーカイブがハッカーに盗まれ、15万ドルを支払わなければ流出させると脅迫された件があった。その後、バンドは要求に応じる代わりに、6月11日から28日までの期間限定で、デモ、アウトテイク、未発表曲、ライブ音源など約18時間分をBandcampで公開した。

価格は18ポンドに設定され、売上は環境活動団体エクスティンクション・レベリオンへの寄付に充てられた。この対応は、脅迫による流出を前にして、バンド自身が音源を整理してファンに届けた動きとして大きな注目を集めた。

Radioheadを追うときの入り口

  • まずは「Creep」で初期の反応を確認する

  • 「The Bends」でギター中心の時期を聴く

  • 「OK Computer」でバンドの評価が大きく変わった時期を追う

  • 「Kid A」で電子音や実験性の強さを聴く

  • 「In Rainbows」で配信と販売方法の話題も含めて触れる

Radioheadは、ロックの形を保ちながら、音の作り方や発表の仕方まで何度も変えてきたバンドだ。作品ごとに見える表情がかなり違うので、アルバム単位で追うと動きが分かりやすい。

toast