The Pineapple Thief

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The Pineapple Thief

The Pineapple Thiefとは

ザ・パイナップル・シーフ(The Pineapple Thief)は、1999年にイングランド南西部サマセット州ヨーヴィルで結成されたイギリスのオルタナティブ/プログレッシブ・ロック・バンドである。シンガー、ギタリスト、ソングライターのブルース・ソード(Bruce Soord)のパーソナルな音楽ヴィジョンから出発し、英名門レーベルKscopeの看板アクトとして世界的な支持を拡大。レディオヘッド(Radiohead)直系の哀愁漂うメロディと内省的なポスト・ロックの質感、そして高度なプログレッシブ・ロックの構築美を兼ね備えた「新世代プログ・ロックの旗手」として確固たる地位を築いている。

宅録ソロ・プロジェクトから本格バンドへの歩み

ブルース・ソードが自宅スタジオで制作した1999年のデビュー・アルバム『Abducting the Unicorn(ユニコーンの略奪)』(後に『Abducted at Birth』へ改題)や『One Three Seven』(2002年)は、サイクロプス(Cyclops)レーベルから発表された。当初は完全なソロ・プロジェクトであったが、2003年のサード・アルバム『Variations on a Dream』の評価の高まりを受け、楽曲をライブで再現すべくバンド編成へと移行する。

大学時代からの音楽仲間であったベーシストのジョン・サイクス(Jon Sykes)、ドラマーのキース・ハリソン(Keith Harrison)、ギタリストのウェイン・ヒギンズ(Wayne Higgins)、キーボードのマット・オレアリー(Matt O'Leary)が集結。その後キーボーディスト兼エンジニアのスティーヴ・キッチ(Steve Kitch)が正式加入し、2008年のヒギンズ脱退以降は強固な4人編成を基本としてライブ活動を展開した。

名門Kscopeへの移籍とポスト・プログの確立

2008年、ポーキュパイン・ツリー(Porcupine Tree)やアナセマ(Anathema)らを擁するポスト・プログレッシブ・ロックの名門レーベルKscopeへ移籍し、アルバム『Tightly Unwound』をリリースした。

続く『Someone Here Is Missing』(2010年)、弦楽オーケストラを導入した『All the Wars』(2012年)、よりエモーショナルでタイトなソングライティングを突き詰めた『Magnolia』(2014年)とコンスタントに秀作を発表。キャッチーで洗練されたロック・フォーマットのなかに緻密なリズム転換や浮遊感あるシンセ・テクスチャーを忍ばせる独自のサウンド・スタイルを確立した。

ギャヴィン・ハリソンの合流と黄金期の到来

2016年、バンドの歴史を大きく塗り替える転機が訪れる。キング・クリムゾン(King Crimson)やポーキュパイン・ツリーで現代最高峰のドラマーとして名を馳せるギャヴィン・ハリソン(Gavin Harrison)が、アルバム『Your Wilderness』にゲスト参加した。

ハリソンがもたらした驚異的なリズムの精度とポリリズム、緻密なダイナミクスはバンドの音楽性を一気に高次元へと引き上げた。ハリソンは続く『Dissolution』(2018年)から正式メンバーとしてクレジットされ、ブルース・ソードとの共同作曲・共同プロデュース体制を確立。現代社会の分断やデジタル依存をテーマにした本作や、続く『Versions of the Truth』(2020年)は全英・欧州の主要ロック・チャート上位を席巻し、バンドの黄金時代を決定づけた。

過去作の再構築『Give It Back』から最新作『It Leads to This』へ

2022年には、ハリソン加入以前の初期代表曲群をハリソンの新録ドラム、ソードの新録ボーカル&ギター、最新のミックスによって完全に生まれ変わらせたリワーク・アルバム『Give It Back』を発表。長年のファンと新たなリスナーの双方から絶賛を浴びた。

そして2024年2月、通算15作目となるスタジオ・アルバム『It Leads to This』をKscopeよりリリースした。3年以上の歳月をかけて練り上げられた本作は、現代を生きる人間の焦燥感や不条理を鋭く抉り出した歌詞世界と、オーガニックな温もりと機械的精密さがせめぎ合う極限のアンサンブルが融合した、バンド史上の最高傑作との呼び声高い評価を獲得している。

音響設計へのこだわりと現代ロックにおける存在感

ザ・パイナップル・シーフの大きな特徴として、圧倒的な音響クオリティへの執念が挙げられる。フロントマンのブルース・ソードは、イエス、ジェスロ・タル、カタトニア、リヴァーサイド、オーペス、テッセラクトなど数多くの名盤の5.1サラウンドやDolby Atmos(空間オーディオ)ミックスを手がける現代トップクラスのミキシング・エンジニアとしても知られている。

スティーヴ・キッチのマスタリング技術、ギャヴィン・ハリソンの完璧なドラム録音、そしてソードの空間演出が一体となった彼らのサウンドは、オーディオファイル(音響派リスナー)からも絶大な信頼を獲得している。英国ロックの伝統である叙情詩と最先端のモダン・プロダクションを高次元で融合させた稀有なバンドとして、現在進行形でプログレッシブ・ロックの最前線を牽引し続けている。

ジャンル・スタイル

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