The Pineapple Thief - Your Wilderness (2016)
The Pineapple Thief『Your Wilderness』
イギリスのプログレッシブ・ロック・バンド、The Pineapple Thiefが2016年に発表した通算11作目のスタジオ・アルバムが『Your Wilderness』だ。フロントマンBruce Soordを中心に活動してきたこのバンドにとって、本作は大きな節目にあたる作品として位置づけられている。2010年代の英国プログレの流れの中でも、演奏の精密さと歌ものとしてのまとまりを両立させた一枚として語られることが多い。
作品の輪郭
本作でまず目を引くのは、Gavin Harrisonの参加だ。King CrimsonやPorcupine Treeで知られるドラマーで、細かなニュアンスを積み重ねるタイプのプレイが、アルバム全体の骨格をかなり明確にしている。リズムが前に出る場面でも過剰に主張せず、曲の流れの中でテンポや重心をきっちり支える印象が強い。
Bruce Soordの声は、抑えたトーンのまま曲を引っ張っていく。メロディは派手に開くというより、少しずつ輪郭が見えてくる作りで、そこにアコースティック・ギターや鍵盤が重なっていく構成が多い。The Pineapple Thiefらしい内省的な質感は残しつつ、バンドとしての一体感が前面に出たアルバムでもある。
収録曲の聴きどころ
冒頭の「In Exile」は、入り口として分かりやすい曲だ。メロディの掴みがあり、変拍子の感触も自然に差し込まれる。アルバム全体の方向性を早い段階で示す一曲と言える。
「No Man's Land」は、アコースティック・ギターの細かな響きが中心にあり、曲の空気を崩さずに展開していく。演奏の密度は高いが、音数で押し切るタイプではない。
「The Final Thing on My Mind」は10分を超える大作で、この作品の中でも特に構成の変化が大きい。静かなパートから厚みのある演奏へ移る流れがあり、アルバム後半の山場として機能している。
参加ミュージシャンと広がり
John Helliwell(Supertramp)のクラリネット、Geoffrey Richardson(Caravan)のストリングス系の参加も、本作の音の幅を広げている。いずれも装飾としての役割にとどまらず、曲の空気を変える要素として働いている点が印象的だ。
2019年盤について
この盤は2016年作の2019年リリース盤として流通している。オリジナルの内容を踏まえた再登場で、作品そのものは2016年のアルバムとして捉えるのが自然だろう。The Pineapple Thiefのディスコグラフィーの中でも、以後の洗練された路線につながる重要作として残る一枚だ。
トラックリスト
- A1 In Exile
- A2 No Man's Land
- A3 Tear You Up
- A4 That Shore
- B1 Take Your Shot
- B2 Fend For Yourself
- B3 The Final Thing On My Mind
- B4 Where We Stood
動画プレイリスト
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The Pineapple Thief - In Exile (from Your Wilderness)
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The Pineapple Thief - No Man's Land (lyrics video) (from Your Wilderness)
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The Pineapple Thief - Tear You Up
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The Pineapple Thief - That shore
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The Pineapple Thief - Take Your Shot
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The Pineapple Thief - Fend For Yourself
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The Final Thing on My Mind
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The Pineapple Thief - Where We Stood