The Pineapple Thief - Your Wilderness (2016)
The Pineapple Thief『Your Wilderness』について
The Pineapple Thiefは、Bruce Soordを中心に展開してきた英国のプログレッシブ・ロック・バンドだ。1999年に始動し、2000年代以降はソングライティングを核に据えながら、バンド編成での演奏も含めて活動を広げてきた。2010年代に入ると、より現代的な音像と緻密なアレンジを備えた作品で存在感を強めていく。
『Your Wilderness』は2016年に発表された作品で、The Pineapple Thiefのディスコグラフィーの中でも、バンドがその後さらに注目を集めていく流れの中に置かれる一枚だ。2019年盤はKscopeからのヨーロッパ盤としてリリースされている。
作品の位置づけ
この時期のThe Pineapple Thiefは、Bruce Soordの作曲性を軸にしつつ、バンドとしてのまとまりを強めていた頃合いだ。特に本作では、のちにバンドの顔ぶれとして広く知られるGavin Harrisonが参加している点も重要だ。精密なリズム処理と、曲の推進力を細かく作り込む演奏が、この時期のサウンドに大きく関わっている。
Kscopeはロンドンを拠点にしたプログレ系レーベルで、現行のプログレッシブ・ロックや周辺の作品を多く扱ってきたレーベルだ。The Pineapple Thiefのように、メロディと構成の両方を重視するアーティストとは相性のよい組み合わせに見える。
サウンドの印象
『Your Wilderness』は、派手な技巧を前面に出すタイプというより、曲の流れの中で細部を積み上げていく作りの作品として捉えやすい。ギター、キーボード、リズムの配置が比較的整理されていて、音数の多さよりも、各パートの入り方や抜け方に耳が向くタイプだ。
プログレッシブ・ロックの文脈では、長尺の組曲的な展開だけでなく、抑制されたダイナミクスや、ロック・バンドとしての演奏感を重視する流れに連なる一枚とも言える。Porcupine Treeや、同時代の英国プログレ周辺を聴いている人には、音の作り方や曲の組み立てで接点を見つけやすいはずだ。
この盤について
2019年盤は、オリジナルの2016年作をヨーロッパで出し直したものだ。レーベルはKscope、カタログ番号はKSCOPE1010。オリジナル盤と比べると、作品そのものは2016年の内容を基本にした再登場として見るのが自然だろう。
ジャケットや収録内容は、作品の核となる楽曲群をそのまま伝えるタイプのものとして扱われることが多く、The Pineapple Thiefの2010年代中盤のスタンスを確認するうえで分かりやすい一枚になっている。
まとめ
『Your Wilderness』は、Bruce Soordを中心とするThe Pineapple Thiefが、バンドとしての演奏力とソングライティングの両方を前に出していた時期の作品だ。2016年のオリジナル作としての意味を持ちながら、2019年盤ではKscopeのプログレ文脈の中で改めて流通している。緻密な構成と落ち着いた推進力が印象に残る、同バンドの中でも2010年代の流れを示すタイトルだ。
トラックリスト
- A1 In Exile
- A2 No Man's Land
- A3 Tear You Up
- A4 That Shore
- B1 Take Your Shot
- B2 Fend For Yourself
- B3 The Final Thing On My Mind
- B4 Where We Stood
動画
- The Pineapple Thief - In Exile (from Your Wilderness)
- The Pineapple Thief - No Man's Land (lyrics video) (from Your Wilderness)
- The Pineapple Thief - Tear You Up
- The Pineapple Thief - That shore
- The Pineapple Thief - Take Your Shot
- The Pineapple Thief - Fend For Yourself
- The Final Thing on My Mind
- The Pineapple Thief - Where We Stood