Madonna - Like A Virgin (1984)
Madonna 1984

Madonna - Like A Virgin (1984)

Electronic Pop Dance-pop

Madonna『Like A Virgin』(1984) レコード解説

マドンナの2作目のスタジオ・アルバム『Like A Virgin』は、1984年11月12日に発表された作品で、彼女の名前をポップ・スターとして定着させた決定的な一枚だ。前作で見えたクラブ感覚やダンス・ミュージック志向を保ちながら、ここでは曲の輪郭がより明確になり、シングルを軸にアルバム全体が組み立てられている。レーベルはUSのSire、型番は1-25157。80年代前半のアメリカン・ポップスの中でも、かなり早い段階でマドンナの存在感を決定づけた時期の記録になっている。

アルバムの位置づけ

この時点のマドンナは、まだ“完成された大スター”というより、勢いのある新世代のアーティストとして見られていたはずだが、『Like A Virgin』でその印象が一気に変わる。プロデュースを手がけたのはナイル・ロジャース。シックで知られる彼らしい整理されたリズム処理と、80年代らしい音の輪郭のはっきりした作りが前面に出ている。ディスコの余韻を引きつつ、当時のMTV世代に向けたポップの設計図のような仕上がりだ。

同時代の文脈で見ると、単なるダンス・アルバムではなく、映像と結びついたポップ表現の強さが際立つ作品でもある。音だけでなく、衣装、振る舞い、アートワークまで含めて一つのイメージを作るやり方は、その後のポップ・アーティストにも大きな影響を残した。

代表曲とアルバムの核

アルバムを語るうえで外せないのは、やはりタイトル曲「Like a Virgin」だ。ビリー・スタインバーグとトム・ケリーの共作で、失恋のあとに新しい関係へ入ったときの感覚を歌にしたものとして知られる。もともとはもっと繊細なバラードとして構想されていたが、マドンナに渡ってからポップ・ソングとしての輪郭が強まった。低音に寄りすぎず、しかし軽くもないこのバランスが、曲を単なる挑発表現ではなく、当時のヒット曲として機能させている。

「Material Girl」も重要だ。マリリン・モンローの『紳士は金髪がお好き』にある“Diamonds Are a Girl's Best Friend”の場面を参照したミュージックビデオは、マドンナのセルフ・イメージを広く浸透させた。楽曲そのものは、表面的には物質的な価値観をなぞりながら、その受け取り方を聴き手に委ねる作りになっている。

ほかにも「Angel」「Dress You Up」など、シングル向きの明快さを持つ曲が並ぶ。収録曲の並びは、アルバムというよりヒット曲の連なりとして機能していて、当時のUSポップ・アルバムらしい作りがはっきり出ている。

文化的なインパクト

1984年9月の第1回MTVビデオ・ミュージック・アワードでの「Like a Virgin」披露は、この作品を象徴する場面としてよく知られている。巨大なウェディングケーキから登場し、白いドレスと“Boy Toy”ベルトで歌う演出は、放送当時から強い反応を呼んだ。途中で靴が脱げたあとも、マドンナは動きを崩さずにパフォーマンスを続けた。この瞬間は、曲のヒット以上に、彼女が単なる歌手ではなく、イメージを操る表現者として認識されるきっかけになった。

発売後の反応も大きく、アルバムは1985年にBillboard 200で1位を獲得し、米国で大きなセールスを記録した。批評面では評価が割れたものの、ナイル・ロジャースのプロダクションと、マドンナのキャラクターを前面に押し出した構成は、この時代のポップ・アルバムとして強い印象を残している。

このUS盤について

今回のUS盤は1984年のオリジナル期プレスで、Specialty Records Corporationの盤。レーベル表記は1-25157、ジャケット背表紙とインナーには9 25157-1の表記がある。初期盤の特徴として、バック・スリーブが上下逆に印刷されている点が挙げられる。これは店頭での見せ方に余地を持たせた仕様で、当時のリリースらしい細かな工夫だ。カスタム・インナーには歌詞が載り、内袋まで含めて作品の完成度を保っている。

また、このUS盤には「Into The Groove」は収録されていない。のちの国際盤や再発では追加されることがあるが、この盤ではオリジナルの収録内容がそのまま残されている。盤面やランオフの刻印、MASTERDISKのスタンプなど、80年代USプレスらしい情報も見どころの一つだ。

まとめ

『Like A Virgin』は、マドンナの初期キャリアを決定づけた作品であり、同時に80年代ポップの見せ方そのものを変えたアルバムでもある。音は明快で、構成はシンプル寄りだが、そこに映像、衣装、物議を呼ぶ演出が重なって、曲単体以上の存在感を持つ。USオリジナル盤を手に取ると、その時代の空気まで含めて記録されている感覚がある。

トラックリスト

  1. A1 Material Girl 4:04
  2. A2 Angel 3:57
  3. A3 Like A Virgin 3:39
  4. A4 Over And Over 4:13
  5. A5 Love Don't Live Here Anymore 4:51
  6. B1 Dress You Up 4:02
  7. B2 Shoo-Bee-Doo 5:18
  8. B3 Pretender 4:31
  9. B4 Stay 4:09

動画プレイリスト

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