Oingo Boingo - Only A Lad (1981)
Oingo Boingo 1981

Oingo Boingo - Only A Lad (1981)

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Oingo Boingo『Only a Lad』(1981) レビュー

Oingo Boingoの『Only a Lad』は、1981年にUSのA&M Recordsから出たデビュー・アルバムで、バンドの出発点をそのまま記録した作品だ。のちに映画音楽家として広く知られるDanny Elfmanを中心に、サックスやトランペットを含む編成で組まれたこの時期のOingo Boingoは、ニュー・ウェイヴの枠の中でもかなり忙しい動きをするバンドだった。ロック、スカ、ポップ、パンクの要素が同じ曲の中で行き来し、そこに演劇的な身ぶりや、少しひねった和声が入ってくる。ロサンゼルスの初期ニュー・ウェイヴの空気を強く持ちながら、同じ棚に並ぶバンドの中でも輪郭がはっきりしている。

デビュー作としての位置づけ

『Only a Lad』は、もともと舞台芸術色の強い活動をしていたElfmanの経歴が、そのままバンド作品に流れ込んだようなアルバムだ。収録曲は短く切り込むものから、曲中で展開が変わるものまで幅があり、単純なパンク・アルバムとも、軽いポップ作とも違う。バンドの初期像を知るうえで重要な1枚であり、後年のより整ったサウンドに比べると、ここではまず勢いと構成の複雑さが前に出ている。

制作はバンド自身とPete Solley。録音は1980年12月から1981年2月にかけて行われた。発売当時の評価は割れたが、全国的な認知を得る入口になった作品として扱われることが多い。商業的に大きなヒット盤ではないものの、Oingo Boingoの名前を広く印象づけたのはこのアルバムだった。

サウンドの特徴

実際に聴くと、まず耳に入るのはリズムの切れ方だ。スカ由来の跳ねる拍、パンク寄りの直進、そこにホーン隊が鋭く差し込まれる構図。曲が進むたびに、同じテンポ感のまま見せ方だけを変えるのではなく、段落ごとに表情を変えてくる。ギターが前に出る場面もあれば、サックスやトランペットが曲の輪郭を決める場面もある。ロック・バンドというより、編成の多い舞台作品を聴いている感覚に近い部分がある。

タイトル曲「Only a Lad」は、その初期Oingo Boingoらしさがまとまった代表曲だ。歌の語り口は軽くないが、演奏は重く沈まず、皮肉と推進力が同居している。ライブでも長く定番だった曲で、バンドの初期像をそのまま示す存在になっている。「Capitalism」や「Imposter」に見られる、言葉の扱い方も印象的だ。社会や人物を真正面から説明するより、少しずらした視点で描く作りで、後のElfman作品にも通じる感覚がある。

収録曲とエピソード

このアルバムには「You Really Got Me」のカバーも入っている。元曲の骨格を借りながら、Oingo Boingo流の編成で再配置している点が面白い。オリジナル曲群のなかに置かれることで、単なる懐古ではなく、バンドの演奏力と解釈の仕方を見せる役割を持っている。

また「Imposter」は、LA Timesの辛口な批評への返答として書かれたとされる。こうした背景を知ると、この時期のOingo Boingoが単に奇をてらっていたのではなく、外からの見方も含めて作品の中に取り込んでいたことが見えてくる。アイロニーやグロテスクなユーモアは、このバンドの初期を語るうえで外せない要素だ。

同時代の中での輪郭

1981年のロサンゼルス周辺には、X、The Go-Go’s、Wall of Voodooのように、パンク以後の感覚を持ちながら別方向へ進むバンドが並んでいた。Oingo Boingoはその中でも、ホーンを含む編成と演劇的な構成でかなり独特だ。新しい波のバンドとして見ても、スカやポスト・パンクの要素をそのまま並べるのではなく、曲の中で組み替えている点に個性がある。

後年のOingo Boingoはよりポップ寄りの方向へ進み、編成や音像も変わっていくが、『Only a Lad』ではまだバンドの初期衝動が前に出ている。ロサンゼルスのローカルな熱気、Elfmanの劇場的な感覚、そしてホーン・セクションを活かしたアレンジが同時に立ち上がる1枚。デビュー作として、かなり情報量の多いアルバムだ。

盤について

このUS盤はA&M RecordsのSP-4863。ジャケット裏にはプロモ用のスタンプが入る個体もある。内袋には歌詞とクレジットが掲載されていて、当時のアルバム作品らしいまとまりがある。A&Mの1981年盤としては、ロサンゼルス発のバンドの空気をそのまま閉じ込めたようなリリースだ。

『Only a Lad』は、Oingo Boingoの出発点としてだけでなく、1980年代初頭のアメリカ西海岸ニュー・ウェイヴの中で、ひときわ構成の込み入った作品として残っている。派手さだけで押し切るのではなく、曲の組み立てそのものにバンドの性格が出ているアルバムだ。

トラックリスト

  1. A1 Little Girls 3:44
  2. A2 Perfect System 3:46
  3. A3 On The Outside 3:39
  4. A4 Capitalism 3:40
  5. A5 You Really Got Me 4:40
  6. B1 Only A Lad 3:56
  7. B2 What You See 3:43
  8. B3 Controller 3:24
  9. B4 Imposter 2:59
  10. B5 Nasty Habits 4:06

動画プレイリスト

公開: 2026年9月
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