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KIDS SEE GHOSTS(キッズ・シー・ゴースト)は、カニエ・ウェストことYeと、キッド・カディことScott Mescudiによる米ヒップホップ・スーパーデュオ/プロジェクトだ。ヒップホップを軸に、サイケデリック・ラップやオルタナティブ・ロックの実験的な要素を融合させた唯一無二のサウンドで知られている。
二人は2000年代末から交流があり、Yeの『808s & Heartbreak』以降、互いの作品でコラボレーションを重ねてきた。その後、私生活での対立や精神的な不調もあり距離ができたが、2017年末から2018年にかけて和解し、ワイオミング州ジャクソンホールで共同制作を進めた。
このプロジェクトは、Yeが主導したワイオミング・セッションの一環として形になった。ワイオミング・セッションは、Pusha T『Daytona』、Kanye West『ye』、Nas『Nasir』、Teyana Taylor『K.T.S.E.』へと続く連作で、その第3弾として2018年6月8日にセルフタイトルのアルバム『KIDS SEE GHOSTS』が発表された。
収録は全7曲、約24分。短い尺の中に、精神的な苦痛、回復、贖罪、信仰といったテーマが詰め込まれている。曲数はコンパクトながら、極めて密度の高い構成となっている。
この作品では、サイケデリック・ラップとオルタナティブ・ロックの要素が鮮烈に打ち出されている。ビートの切り替えやサンプリングの扱いも斬新で、従来のヒップホップの枠を大きく拡張した。
特にYeの尖ったサンプリング美学と、Kid Cudiの包容力あるメロディセンスが完璧に噛み合い、二人の個性が昇華された作品となっている。
アルバムのジャケットは、現代美術家の村上隆が担当した。Yeの『Graduation』以来の再タッグで、村上の絵画作品『万字富士』をベースにしたビジュアルが使われた。幽霊のようなキャラクターと富士山のモチーフが組み合わさり、アルバムのサイケデリックかつスピリチュアルな内容を視覚的にも表現している。
『KIDS SEE GHOSTS』は、ワイオミング・セッションの中でも屈指の完成度を誇る傑作として絶賛され、各メディアの2018年年間ベスト・アルバムでも上位に選出された。
同年11月には音楽フェス「Camp Flog Gnaw Carnival」にて初ライブが行われ、宙に吊るされた巨大なガラスケースの中で二人がパフォーマンスを披露するなど、2010年代オルタナティブ・ヒップホップの歴史に深く刻まれるプロジェクトとなった。