Shannon - Let The Music Play (1984)
Shannon 1984

Shannon - Let The Music Play (1984)

Electronic Funk / Soul Funk Electro Freestyle

Shannon『Let The Music Play』

ShannonことBrenda Shannon Greeneが1984年に発表したデビュー・アルバム。表題曲「Let The Music Play」で知られる1枚で、Mirageから出たUS盤がオリジナル。録音はニューヨークのUnique、Green Street、Song Shop、City Soundで行われ、プロデュースはクリス・バルボサとマーク・リゲットが担当している。

制作背景・エピソード

表題曲の出発点は、バルボサが自宅で作ったデモ「Fire and Ice」だった。Red Bull Music Academy Dailyの記事では、祖母に頼んでRoland JX-3P、TB-303、MC-202、CR-8000などの機材を買い、病気で家にいた間にいじっているうちにこのデモができたと語られている。本人は「Fire」をストリートなベースとビート、「Ice」をその上に乗るポップなメロディと説明している。違いを生んだのはキックに入れたシンコペーションで、プエルトリコ系の家庭でサルサに合わせて棒を叩いて育ったことや、70年代のポップスを聴いていたことがそのリズムの源になったという。

当初バルボサはEmergency Recordsのオーナー、セルジオ・コッサからコメディ・チームとして契約され、ラップのレコード制作を求められていたという。そこへデモを聴いたマーク・リゲットが「なんでラップなんかやってるんだ、このデモは最高じゃないか」と言い、作詞を加えて歌ものにすることになった。

シャノンは当時、ニューヨークのYork Collegeに通いながら経理の仕事をし、バンドで歌っていた学生だった。ジャズ・アンサンブルのリハーサルを見た人物の紹介でリゲットのオーディションを受けたとされる。録音では、Roland TR-808のキックとスネアにリヴァーブをかけ、ノイズゲートで短く切る処理が用いられ、曲全体をTB-303のベースラインが支えている。バルボサはこのドラムの音をエンジニアのRod Huiの功績としており、アーサー・ベイカーの「Looking for the Perfect Beat」から得たアイデアだったとも述べている。ベイカー自身も後年、「Let the Music Play」を聴いて、こういうドラムが欲しいと思ったと振り返っている。

サビに入る声は、クレジットのないセッション・ギタリスト、ジミ・タネルによるもの。バルボサは、色付けとバックのつもりで入れた声がフックとして機能したため、そのまま残したと話している。シンセ・プログラミングはロビー・キルゴア、ギターには、のちにリアーナを見出すソングライター・コンビの一人、カール・スターケンが参加し、相方のエヴァン・ロジャースもクレジットされている。

時代の文脈

「Let The Music Play」は1983年9月にシングルとして先行登場し、まずクラブで広がった。10月には全米ダンス・チャート1位、1984年2月には全米8位、R&B2位に達している。シャノン本人は、とりわけラテン系のリスナーに受け入れられたと語っており、その音は「シャノン・サウンド」、続いて「マイアミ・サウンド」「サウス・フロリダ・サウンド」と呼ばれ、のちに「フリースタイル」というジャンルにつながったとされる。彼女は後続の例としてリサ・リサ、スティーヴィー・B、コロの名前を挙げている。

ジェリービーンは、このレコードが大ヒットした理由について、当時としてまったく違う音だったからだと語っている。バルボサ自身も、このアルバムを機に選挙管理委員会の書類配達の仕事をやめ、プロデューサー業に専念することになった。

アルバム全体では、続くシングル「Give Me Tonight」も全米ダンス・チャート1位、「My Heart's Divided」も同3位を記録した。アルバムは全米32位、R&Bアルバム・チャート11位、全英52位。シャノンは本作で第27回グラミー賞の最優秀女性R&Bヴォーカル・パフォーマンスにノミネートされている。

後世への影響

アーマンド・ヴァン・ヘルデンは「フリースタイルへの道を開いた」レコードと呼んでいる。Rolling Stoneは2022年の「最も偉大なダンス・ソング200」で6位に、Billboardも2025年の「ベスト・ダンス・ソング100」で63位に選出した。

カバーでは、ペット・ショップ・ボーイズがプロデュースしたキャロル・トンプソン版が1992年に『クライング・ゲーム』のサウンドトラックへ収録され、メアリー・キアニ版は1996年に全英19位を記録している。

トラックリスト

  1. A1 Let The Music Play 3:34
  2. A2 Sweet Somebody 4:41
  3. A3 Someone Waiting Home 4:35
  4. A4 Give Me Tonight 6:05
  5. B1 My Heart's Divided 4:27
  6. B2 It's You 4:02
  7. B3 One Man 3:45
  8. B4 Let The Music Play (Remix) 6:03

動画プレイリスト

公開: 2026年10月
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