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Data(データ)は、1980年にイギリスで結成されたシンセポップ/エレクトロニック・ポップ・バンド。中心人物は、1960年代末にフォーク・ロック・バンドEclection、1970年代に「A Glass of Champagne」などの大ヒットで知られるグラム/ポップ・ロック・バンドSailorを率いたノルウェー出身のマルチ・ミュージシャン/ソングライター、Georg Kajanus(ゲオルグ・カヤナス)である。
Sailorの一時活動休止後、シンセサイザーやシーケンサー、ドラムマシンによる電子音楽に可能性を見出したカヤナスが、女性シンガーのFrancesca(Frankie)BoulterとPhillipa(Phil)Boulterの姉妹をボーカルに迎えて立ち上げたプロジェクトである。
Sailorでのキャバレー調ポップ・ロック路線から一転、カヤナスはクラフトワークや初期YMOと共振するような冷徹なエレクトロニック・サウンドへと大胆に舵を切った。クラシカルな旋律美とSF的・文明批評的な世界観を、女性ボーカルの澄んだ歌声とともに提示した。
1981年にデビュー・アルバム『Opera Electronica』を発表。1983年の2ndアルバム『2-Time』、1985年の3rdアルバム『Elegant Machinery』と、1980年代半ばにかけて先駆的なエレクトロ・ポップ作品を世に送り出した。その後カヤナスはSailorに復帰し、さらに後年にはアンビエント/エレクトロニック・プロジェクト「Noir」などを結成して活動を継続した。
Dataのサウンドは、緻密にプログラミングされたシーケンス・パターン、無機質なエレクトロニック・ビート、そしてミニマルなシンセサイザーのレイヤーを特徴とする。そこにカヤナスが培ってきたクラシック音楽の構成力と、演劇的で哀愁を帯びたメロディ・センスが絶妙に融合している。
歌詞の面でも、機械化・デジタル化が進む現代社会へのアイロニーや、ディストピア的な近未来のビジョンを扱っており、単なるダンス向けシンセポップとは一線を画す理知的な構築美を誇る。
1980年代半ばで活動を停止したものの、初期シンセポップやミニマル・ウェイヴの先駆的グループとして現在も世界中のシンセ・コレクターの間でカルト的な人気を博している。
特に3rdアルバムのタイトル『Elegant Machinery』は、1990年代に登場したスウェーデンの人気シンセポップ・バンド「Elegant Machinery(エレガント・マシナリー)」のバンド名の由来となったことでも広く知られている。