Vinyl Record Reviews
Funkadelicは、1970年代に特に存在感を示したアメリカのバンドだ。ジョージ・クリントンが率いる関連プロジェクトとして知られ、同じくクリントン主導の姉妹ユニットとともに、1970年代のファンク文化を形づくったグループとして扱われている。1997年にはロックの殿堂入りも果たしている。
ウェブ上の情報によると、Funkadelicの出発点は1968年、ニュージャージー州プレインフィールドで、ジョージ・クリントン率いるドゥーワップ・グループ「ザ・パーラメンツ」の伴奏バンドとして結成されたことにある。ここから、のちにファンクとロックをまたぐ独自のバンドへと発展していった。
メンバーには、Bootsy Collins、Bernie Worrell、Eddie Hazel、Junie Morrison、Garry Shider、Michael Hampton、Tiki Fulwood、Ray Davis、Glen Goins など、多くのミュージシャンが名を連ねている。編成の変化が大きいグループで、時期によって参加メンバーはかなり入れ替わっている。
Funkadelicの音楽は、ファンクを土台にしながら、ロック、サイケデリック・ロックの要素を強く取り込んでいる。スタイル欄にもある通り、P.Funk、Psychedelic Rock、Funk といった語が並ぶ通り、単純なファンク・バンドとしては収まりにくい。
演奏面では、リズムの強さに加えて、ギターやキーボードの扱いが目立つ。Bernie Worrellの鍵盤、Eddie Hazelのギターは、Funkadelicの音を語るうえで外せない存在だ。ソウル寄りのグルーヴと、ロック的なノイズ感や長尺の展開が同居している。
1971年のアルバム「Maggot Brain」は、Funkadelicを代表する作品としてよく挙げられる。タイトル曲は、ギタリストのEddie Hazelによる約10分のギターソロで知られている。
録音時にジョージ・クリントンが「母親が死んだと聞いた直後の気持ちで弾いてくれ、その後で実は生きていたと分かった時の気持ちも」と伝えた、という逸話が残っている。このソロは、ギター史の中でもしばしば取り上げられ、後続のアーティストにも影響を与えたとされる。レッド・ホット・チリ・ペッパーズやチャイルディッシュ・ガンビーノの名前も関連して語られることがある。
1978年のアルバム「One Nation Under a Groove」は、Funkadelicにとって初のプラチナ認定作品になった。タイトル曲はR&Bチャートで6週連続1位を記録し、バンド初の100万枚セールスのシングルになっている。
この時期のFunkadelicは、実験性を保ちながらも、より広い層に届く形で曲をまとめていた。ファンクのリズムを前面に出しつつ、ロック由来の展開やサイケデリックな感触も残している。
90年代にヒップホップ文化が盛り上がると、ジョージ・クリントンは自分たちのカタログを無料でサンプリングすることを認めた。この対応によって、Funkadelicや関連作品への関心が再び高まった面もある。実際、ファンクのフレーズやリズムは、その後のラップやヒップホップの制作現場で繰り返し参照されている。
Funkadelicは、George Clintonを中心とする大きな音楽圏の一部として見ると分かりやすい。姉妹プロジェクトのParliamentとあわせて、P-Funkと呼ばれる文化を広げていった存在として扱われることが多い。バンド単体の活動だけでなく、こうした周辺プロジェクトとのつながりも、Funkadelicを理解するうえで重要だ。
Funkadelicをたどると、ファンクの枠を広げたバンドとしての動きが見えてくる。ソウル、ロック、サイケデリックな要素を行き来しながら、1970年代の音楽シーンに独自の足跡を残したグループだ。